あわやヒクイドリの襲撃
Cassowary's Attack


2013年9月28日
ハイピパミー国立公園
オーストラリア

襲撃されそうになった顛末記

■2013-9-28 アサートン台地
 ハイピパミー国立公園(Mount Hypipamee Nationa Park)へ行く途中の自動車道で遭遇した。ヒクイドリに出くわすなんて、土地の人でもめったいにない幸運な出来事である。

 最初藪のなかでじっとしていたヒクイドリは、徐々に見物人が集まって十数名になったとき、やおら藪から車道に出てきた。

 欧米人達はいち早く車の後ろなどに隠れたが、過去に人間を殺したこともあるヒクイドリの怖さを全く知らなかった私は危うく襲われそうになった。
主要更新
◆'13-10-30:本欄新設

 ■1
 ・ハイピパミー国立公園に向かって森林のなかの道を野鳥を探しながら、友人K.K氏とレンタカーで流していた。
 ・すると、二台の車が行く道をブロックしている。良く見ると望遠レンズを窓から出して藪の中に向けている。
 ・レンズの先をみると、うす暗い中にヒクイドリの姿が見え隠れしている。オーストラリアに来た最大の目的の
 一つがヒクイドリなので、小躍りして車から降り、鳥から十分離れて道の反対側に三脚をセットした。




 ■2
 ・見物人が総勢で十数名になっただろうか、ヒクイドリがやおら藪から出てきて、車道を歩き始めた。
 ・かなり近いので望遠レンズをあきらめ、コンパクトデジカメで撮り始めた。
 ・すると突然ヒクイドリが私に向かってくるではないか。野鳥は人間を避けるのが普通であるからびっくりした。
 ・怖さ(殺人歴あり)を知っている欧米人は遠巻きにしているが、私は迫真の写真が撮れると喜んだ。
(友人K.K氏撮影)



 ■3
 ・ずんずんと近寄ってくるので、さすがに私も体を斜めに逃げ出そうとした。
 ・下の写真をみると、1m 程度まで近寄ったようだ。
 ・怖さを知っている欧米人は、私を身代わり?にさっさと逃げている。
(友人K.K氏撮影)



 ■4
 ・近寄った時のコンパクトデジカメ(35mm換算24mm)の写真がこれ。ピントが追従していないピンボケ。
 ・怖い顔をしている。足の太さと、爪の大きさ、鋭さに注目。




 ■5
 ・幸いなことに、顔をくっつけるばかりに寄った後、ヒクイドリはくるっと向きを変え立ち去って行った。
 ・私の顔を見て、憐憫の情がわいたのか、攻撃するに値しない弱虫と思ったかどうかは知る由もない。
(友人K.K氏撮影)



 ■6
 ・近くにこんな看板が立っていた。読み続けるに従って冷や汗が出てきた。
 ・要約すると、 
   <歩いているときにヒクイドリに遭遇したら>
   1.くるりと背中を見せて走ってはいけない。
   2.ヒクイドリを見ながらゆっくりと後ずさりせよ。ヒクイドリが攻撃してくるなら、鳥との間に樹木などの
     堅い物をおけ。
   3.何も持っていなかったら、着物やバックパックなどを体の前にささげ、ゆっくりと後ずさりを続けよ。




 ■7
 ・ヒクイドリは強靱な脚と爪で胸を蹴るので、まともに受けたら死にも至るということである。
 ・走る速さは時速50kmにもなるので、100m走の世界記録(時速36km)保持者でも逃げ切れない。
 ・その後、周辺に多くの注意書きがあるのを見つけた。 「見つけたり、事故があったら連絡してください」など。







 ■8  
 ・結果として何もなかったのであるが、冷や汗ものでした。
 ・「知らぬが仏」でした。「.....蛇に怖じず」ともいえます。
 ・ヒクイドリは広い縄張りを必要とするので、その中に侵入する人間は排除しようとするのでしょう。
  そこに侵入する人間が悪いのである。ヒクイドリを絶滅から救うには広大な保護区が必要と考えられる。
  

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