アメリカコハクチョウ
Tundra Swan
Cygnus columbianus

■分布:種名columbianusは「コロンビアの」の意で、基亜種の越冬地の1つであるコロンビア川に由来する。アラスカ州やハドソン湾などで繁殖し、冬季になるとカリフォルニア半島やチェサピーク湾などへ南下し越冬する。
 日本へはごく少数が冬鳥としてコハクチョウの群れに混じって渡来する。
■生息地:湖沼、河川、河口など。
■見られる時期:
  1234・・・・・9101112
■種、亜種の分類
 アメリカコハクチョウは従来コハクチョウの亜種(学名:C.c. columbianus)とされていたが、分布域が明確に分かれることと体の大きさが異なることなどから、独立種とする説がある。
 この場合、本種の学名はCygnus columbianusとなり、コハクチョウの学名はCygnus bewickiiとなる。
 「キツツキの探鳥記」ではこの説を採用し、別種とする(2013-1-7)。

探鳥記
■2023-1-19 本埜もとの白鳥の郷
 1008羽のコハクチョウに混じっていた二羽。共に行動しているところや嘴の黄色の部分の形態など2週間前に撮影した菅生沼の二羽に生き写しで驚いた。

■2023-1-5 菅生沼/茨城県
 T.T氏、T.I氏を誘ってハクチョウの写真を撮りに来た。カメラマンは一人だけいたが、丁度帰るところだった。何が居るか聞いたところ、アメリカコハクチョウが一羽いると言う。

 探したところすぐ見つかった。嘴の黄色い部分がほとんどない個体と、コハクチョウのそれよりはるかに小さいが少し黄色味がある個体が見つかった。
 一部の図鑑によればアメリカコハクチョウとコハクチョウの交雑種の可能性もあるとのことだったが、この二羽は飛ぶ時も一緒だし、常にくっついて行動していたのでおそらく共にアメリカコハクチョウだろう。
 コハクチョウの群れの端におり、時々コハクチョウにつつかれていたので仲間ではないと認識されているらしいことも別種であるとの裏付けになるかもしれない。

■2019-12-28 伊豆沼周辺
 アオガンを探しに行ったのだが見つからず、このアメリカコハクチョウ2羽とハクガン33羽を見つけた。
 友人の情報によると、印西市のアメリカコハクチョウ3羽は真性の野生とはみなされていないらしいとのこと。それに比べこれらは真性の野鳥であろう。

 なお、アオガンを探している双眼鏡の中にこの個体が入った時に、嘴が真っ黒だったので「もしやナキハクチョウか?」と血が騒いだが、良く見ると目元に黄色みが残っており、オオハクチョウよりは明らかに小さくコハクチョウとほぼ同程度の大きさであるのでアメリカコハクチョウと同定した。残念!!

■2013-1-7 印西市
 アメリカコハクチョウのネット情報で出かけた。着いた早々眼の前10mのところに居た。ハクチョウ類が数百羽以上群れている中にまぎれているはずなので、探し出すのは大変難しいと思ったが、目の前にいて大変ラッキーだった。

 余りに近いので1.4倍のテレコンをはずしたが、それでも画面に入らない。後ずさりし、かなり離れてやっと画面に収まった。 この個体を十分撮影した後、全体を見渡すと遠くにもう二羽見つかった。それぞれ嘴の根元の黄色の部分が微妙に異なっている。

 さらに二羽(一番下の写真)見つかったが、これらの黄色の部分はさらに大きく、黄色の面積だけから判断すればアメリカコハクチョウに分類してもいいのだろうが、どこで線引きすればよいのか不明であるので、上記三羽には入れなかった。

 アメリカコハクチョウの中での個体差かあるいはコハクチョウとの交雑個体なのかもしれない。ただ、二羽のペアが二組あったので、かれらは互いにコハクチョウとは違う仲間であることを認識していたのかもしれないと思う。

主要更新
◆'23-1-8:本種の英名をAvibaseに則ってWhistling Swanとしていたが、北米での本種は長らくTundra Swanと呼ばれているのでこちらに変更。
◆'13-1-7:本欄新設
■2023-1-19 (本埜もとの 白鳥の郷/印西市) (M.Zuiko40-150/OM-1(300mm相当)) 面積2/3に削減。 菅生沼の二羽と酷似。


   (M.Zuiko340/1.4X/OM-1(840mm相当)) 面積1/2に削減。    手前の二羽。菅生沼の二羽の行動と酷似。



■2023-1-5 (菅生沼/茨城県) (M.Zuiko40-150/OM-1(300mm相当)) 面積削減:上から1/3,1/2x3,2/3。 二羽共本種であろう。








  手前から、コハクチョウ、オオハクチョウ、アメリカコハクチョウ二羽。


  (M.Zuiko340/1.4X/OM-1(840mm相当)) 面積削減無し



■2019-12-28 (伊豆沼周辺) (M.Zuiko340/2X/E-M1X(1200mm相当)) 面積削減:上から1/2,1/3x3









 第1の個体 ■2013-1-7 (印西市) (Nik540/D7000(750mm相当)) 面積削減無し。



  脇の2羽にいじめられているように見えるが、偶然の一瞬である。瞬間を切り取る写真の怖さ!!

 ・第2、第3の個体  (Nik540/1.4X/D7000(1050mm相当)) 面積2/3に削減。


 ・下の2羽は嘴の黄色の部分がかなり大きいので、個体差なのかコハクチョウとの交雑なのか不明である。


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