ナキイスカモドキ(仮名)
Two-barred Crossbill.faux
Loxia curvirostra

ナキイスカ
■分布:フィンランドからハバロフスクに至るユーラシアの亜寒帯・北アメリカ北部で繁殖し、冬季一部はヨーロッパ、中国北部、北アメリカ中部などに渡る。

 日本では少ない冬鳥として北海道、本州、八丈島で記録がある。イスカの渡来数が多い年に、イスカの群れに交じっていることがある。
■生息場所:平地から山地の針葉樹林。
■本州中部で見られる時期:
  @ABC・・・・・IJK

探鳥記
■2023-12-22 岡谷市 晴
 T.I氏の情報でT.T氏を誘って三人で来た。晴れていたが今年一番の寒さで標高1100mの現地は10時半過ぎで-3℃であった。イスカはおおよそ50羽の大群で梢を行った来たりした。カメラマンはピークで20人ほどであった。

 イスカの群れの中にいかにもナキイスカと思われる白い二筋の斑紋がある個体が見つかった。「すわ、本物!」と飛び上がったが、詳細に見ていくと斑紋の形状はナキイスカそっくりだが、産毛のようで羽そのものが白くない。やはりイスカの個体差なのかと識別した。

 「河口湖にいたナキイスカはただのイスカだったらしい」と二、三人のカメラマンが話しているのに加わり、河口湖で撮った当時ナキイスカと判別した個体をただのイスカとしたことと連動した修正である。ただ、心残りがあるのでナキイスカモドキと勝手に名付けて掲載し続けることとした。

■2023-11-15 冨士河口湖町
 T.I氏からイスカの情報をもらってT.T氏と三人で訪れた。予想よりカメラマンは少なくておおよそ15人が大砲を据えていた。

 現地に3時間いたが、ほぼ1時間に一度10から20羽のイスカの群れが訪れ、そのうちの10羽ほどが目の前の水盤の水を飲んだ。

 アトリやマヒワの群れはそれより多く頻繁に訪れた。その間、枝の上に留まっていた雌のイスカを撮っていたら誰かが「ナキイスカだ!」と小さく叫んだ。

 良く見ると羽に二本の白い筋がある。ナキイスカだと直感した。ナキイスカは北海道まで撮りに行くつもりほど撮るのを欲していた。久しぶりに大いに高揚した。

 ただ、詳細に調べてみると、イスカの雌の羽縁がうっすらと白くなっている個体も図鑑やネットにあり、本個体の白帯はまっとうなナキイスカにしては細い。ここでは仮にナキイスカとしたが、イスカである可能性も五分五分と考えざるを得ない。

主要更新
◆'23-11-15:本欄新設
■2023-12-22 (岡谷市) (Nik663/Z8(600mm)) 面積削減:上から無し、1/32x3。 枠内の個体を拡大して下の二枚に示す。


  拡大画像




  別の個体、薄く白帯が見える。


■2023-12-23 National Geographic, "Field Guide to the Birds of North America," 6th editionに掲載されているイスカとナキイスカのイラストから転載。日本のほとんどの図鑑には載っていないイスカの白帯が示されている。


■2023-11-15 (冨士河口湖町) (Nik663/Z8(600mm)) 面積1/8に削減。






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