アメリカコガモ Green-winged Teal Anas carolinensis | |
■分布:全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸中・北部で繁殖する。冬季は両大陸南部に渡って過ごす。 日本では稀な冬鳥として渡来する。 ■生息地: 冬季は淡水域の水系に多い。ヨシなどが生える岸辺近くの水草の間にいることが多いが、河川や池などでは観察しやすい位置にいることも多い。繁殖地では、ツンドラから森林地帯や砂漠地のステップなどのゆったりした流れ、湿地の湖沼群などの草や藪の多いところを好んで生息している。 独立種に分類 従来アメリカコガモはコガモの亜種とされてきたが、欧米では別種とする流れである。「日本の鳥550」(参考文献(2))に次のような記述がある。 「近年のmtDNAの分析結果ではアメリカコガモはユーラシア産のコガモよりも南アメリカ産のキバシコガモ Anas flavirostrisにより近い関係にあることが分かり、このため欧米の図鑑では別種とするものが多くなった。 この場合、アメリカコガモはAnas carolinensis(英名Green-winged Teal)となり、ユーラシア産のコガモはAnas crecca(英名Eurasian Teal)となる。 近年のこの動きに沿って、本ウェブサイトでは別種とする。 | |
探鳥記 ■2012-4-21 前日、一年余ぶりに船橋三番瀬が解放されたので訪ねた。その帰りにここに寄ってみたら、アメリカコガモを見つけた。最初遠かったがだんだん近づいてくれたので400mmレンズでも十分大きく撮れた。 アマチュアがDNAを調べるわけにはいかないので交雑か否かの判断はできないが、横の白帯がないこと、縦の白帯が太いことから、ほぼ完全なアメリカコガモだと考えている。しかし名前の由来である側面が緑色がかっていないのが引っかかる。 ■2012-4-8 再度アメリカコガモを探しに行った。まず北側に行き、コガモというコガモは全て一羽づづフィールドスコープでチェックした。 ここでは見つからなかったので南側に行った。まもなくかなり遠方でせわしなく餌をついばんでいるのを見つけた。 デジスコで撮リ始めるとまもなく昼寝に入ってしまった。その直後大急ぎで500mmデジイチに交換すべく車に戻った。すぐ取って返し、同じ場所に戻って1時間以上待ち続けた。潮が満ちてくると再び餌を採り始めたので、またしばらく撮影を続けた。 | 交雑個体 4月8日に撮影した個体は純粋のアメリカコガモではなく、コガモとの交雑個体であると思われる。 縦の白帯がアメリカコガモより幾分細いこと、アメリカコガモにはない白い横帯がわずかにあること、また英名の由来であるgreen-wingではないことなどがその根拠である。 上記の「日本の鳥550」(参考文献(2))に酷似した交雑個体の写真が載っている。 |
主要更新 ◆'12-4-8:本欄新設 |
■2016-4-5 (バンクーバー) うす曇り (Nik340PF/1.4X/D7200(630mm相当)) 面積削減:上からなし、2/3。 ■2012-4-21 (谷津干潟) うす曇り (Nik80-400/D7000(600mm相当)) 面積2/3に削減。 手前が本種、奥はコガモ。 ■2012-4-8 (谷津干潟) (Nik540/1.7X/D7000(1275mm相当)) 面積1/4に削減。 手前が本種、奥はコガモ。 |