www.woodpecker.me 更新日=2017-12-6

 ■撮影機材



撮影システムの変遷
 デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼、デジスコ、デジボーグといろいろ試してきた。
 9年間使ってきたPentaxでは最後にK-5を選んだ。ボディーの性能にはほぼ満足していたが、いかんせん500mm以上の純正レンズがなく、Sigmaの50−500mmを使ったがテレコンバーターとの相性が悪かったこともあり、結局2012年1月からNikonの500mm/F4とD7000の組み合わせをメインに、システム全てをNikonのFマウントに鞍替えした。
 干潟の遠方にいる水鳥を撮す時には時々デジスコを持ち出すが、曇っていたり、強い逆光だと後処理で修復できないほどカラーバランスが崩れるので、条件の良い時にしか使えない。全システムを担いで行く旅行には両方は持ち出せないから、Nikonシステムを選択することになる。
<2012-8-25>

主要更新
◇'17-12-7:下記の1項目を削除した。
[ Tamron 18-400評価 ]
◇'17-7-24:下記の1項目を削除した。
[ 新Sigma 100-400評価 ]
◇'17-2-23:下記の7項目を削除した。
[ 解像度評価のネジ ]
[ OEMレンズについて ]
[ 超望遠システム用雲台 ]
[ Nikonによるシステム構築(2012年1月) ]
[ 現在の機材 (2010年9月) ]
[ 鳥見機材の選択(1) ]
[ 手ぶれ補正効果 ]
◇'16-4-29:下記の2項目を削除した。
[ D7200とD750の比較 ]
[ デジボーグ試写評価 ]
◇'16-4-25:下記の7項目を削除した。
[ 新500mm f4/FL評価 ]
[ Sigmaテレコンバーター評価 ]
[ Sigma 150-600mm評価 ]
[ 超望遠システム評価-2 ]
[ D7100中心のシステム/2014年3月 ]
[ 透明保護フィルターの害 ]
[ 最新機材選択 ]
◇'16-3-25:下記の3項目を削除した。
[ Sony RX100デジス子評価 ]
[ 超望遠システム評価 ]
[ デジスコ比較 ]
◇'15- 8-1:下記の項目を削除した。
[ Nikon 1 システム評価 ]
◇'15-4-19:下記の項目を削除した。
[ Nikkor 300mm/F2-8評価 ]
[ テレコンバーターTC20E-III評価 ]
[ D750評価 ]
[ SDカード書き込みモード選択 ]
◇'14-11-18: [■データ保存には何がよいか?]に追記。
◇'14-11-10:評価法の見直しを行うことにし、下記の13項目を削除した。

[ TC14E-III評価 ]
[ Tamron 150- 600mm評価 ]
[ Nikon D7100評価 ]
[ V1システム評価 ]
[ 野鳥実物撮影評価 ]
[ 超々望遠システム評価 ]
[ Lumix FZ200評価 ]
[ 鳥見機材の選択(2) ]
[ Nikonシステム評価 ]
[ 一眼デジスコ実写評価 ]
[ デジボーグ実写評価(2) ]
[ デジボーグ試写評価(2) ]
[ デジボーグ実写評価(1) ]
◇'14-3-11: 時代遅れになった評価を削除。
◇'11-2-24: 手ぶれ補正効果移設。
◇'10-6-28: 本欄新設。
Fujifilm X-T2 + 100-400mm評価 An evalucation of Fujifilm X-T2 + XF 100-400mm
 ネットでの評判、海外での詳細な評価から、表記システムがD500+Nikkor300/4に比肩しうることがうかがいしれた。徒歩を中心とする海外や遠方での探鳥では、Fujiで統一できれば全体の荷物が少なく軽くできるので、Fujiで最も長焦点の100-400mmズームを購入し、テレコンバーターを含めていつもの評価(75m離れたM12のネジ)を行った。
 
ボディー:X-T2   レンズ:XF 100-400mm/F4.5-5.6
テレコンバーター
(等倍に拡大:140x140ピクセル) / ISO200
なし

(換算:600mm)

XF 1.4X

(換算:840mm)
XF 2X

(換算:1200mm)

<評価>
 一条件で3枚づつ撮影して最も良好な画像を選んでいる。三枚の間の差は小さく、信頼性の高い結果である。巷では2Xテレコンの評判はあまり良くないが、1.4Xともども一絞り絞れば良好な解像度が得られると評価する。さすがにNikkor 500mm/F4単焦点に比べれば多少劣るが、他の単焦点やズームレンズに比べて優るとも劣らない結果であると評価する。特に2Xの使い道は十分あると判断する。安心して使えそうである。あとはフィールドでの使い勝手を試さねばならない。
  <2017-12-6記>

Nikkorテレコンバーター評価  An evalucation of Nikkor teleconveters
 十分な望遠焦点距離をもち、軽くてかさばらないシステムを探す業はきりがない。最近、300mm未満の焦点距離のNikkorレンズは全て下取りにして、野鳥以外の対象には富士フィルムのX-T2X-T20を使うことを始めたので、野鳥対象についてもミラーレスへの関心がより高まった。ミラーレスへの傾斜の動機は、システムが軽くて嵩張らないことであるが、現在の各社のミラーレスのフラグシップ機はほとんどファインダーのブラックアウトがないので、その点でも使いやすい。
 そこで従来の300mm/F4をベンチマークにして、今後様々なミラーレスシステムを評価していくことにした。まず、テレコンを再評価してみた。
 
Nikkor 300mm/F4 PF
Tamron 150-600 G2
なし
TC-14E3
TC-17E2
TC-20E3
なし
換算:450mm
630mm
765mm
900mm
900mm
<共通仕様>  ボディー:D500、絞り開放、ISO=100

<評価>
 解像度に優れたNikkor300mm/F4であるが、2倍のテレコンではTamron150-600にわずかに劣るようである。ただ、Tamronの質量が1990g、Nikkorのそれがテレコン含めて1005gであるので、可搬性の点ではとても優れている(実際、歩いて野鳥を探しながら、手持ちで撮影するときには1.4倍テレコン付き300mmを使っている)。最新のミラーレスシステムがどこまで行くか大いに関心があるが、現時点での懸案事項は400mm以上の単焦点レンズがないことと、一眼レフに比べれば数倍の電池消耗の速さである。

 ミラーレスシステムはファインダーで撮影対象を確認している間中システムは稼働状態にあるので本質的に消費電力は大きいのであるが、どこまでそれが容認できるか、撮影対象によって異なるだろう。たとえば、いつ飛び出すかわからない野鳥を狙って、いつまでも巣穴を覗いている、あるいは羽にうずめた頭をごくたまに持ち上げるカモを狙う場合にはミラーレスは適さない。
   <2017-11-26記>


デジスコ再評価  Re-evalucation of a Digital Scope (Digisco)
 野鳥撮影を始めてから様々な撮影システムを試行錯誤してきた。初期にはフィールドスコープとコンパクトデジカメをも試してみた。このシステムは、容易に高倍率・高解像度が得られることから有用と考えられていたが、フィールドスコープの焦点が手動であることなどから動きものに弱く、まもなくお蔵入りとなった。しかし、超遠方のほぼ静止した被写体には有効であることから、再評価してみた。

   デジスコ・システム: Kowa TSN884 + Kowa TE17W + Sony RX100  [3000mm相当(35mm換算)]
 
システム構成
(等倍に拡大:280x280ピクセル)
(1/2に縮小)
Kowa TSN884
+
Kowa TE17W
+
Sony RX100



(換算:3000mm)
(140x140ピクセル)
に縮小


<評価>
 これまでに評価してきた超望遠レンズ+デジタル一眼カメラに比べても、依然として高倍率には有効である。車での移動なら多くのシステムを持参できるから、まだ活用するべきだろう。   <2017-11-7記>

Nikon 1 V3再評価  Re-evalucation of a Nikon 1 V3 system
 Olympus OM-D E-M1 mark Uの発売やSonyα9の発表など、このところミラーレス一眼カメラ の充実が著しく、野鳥撮影に十分使えるという可能性が出てきた。とくに4/3のシステムはセンサーが小さいこともあり、レンズの換算焦点距離が2倍になることから、超望遠撮影には有利である。その中でもE-M1 mark Uは動体補足性能、連写性能が突出していると巷間の評価であり、これを用いたシステムを検討してみた。その結果、レンズが必ずしも小さく軽くはないこと、明るいEVFを見続ける疲労が想定されることなどが気になり、現在ではまだ購入に踏み切れない。
 そんな葛藤(大げさ?)を続けているうち、ふと手元のV3に目がいった。かつて草の中をちょこまか動くツリスガラの撮影に苦労したことから、野鳥撮影には使っていなかった。 今日再試験してみた。下がその結果である。
 
ボディ/レンズ
(等倍に拡大:140x140ピクセル) / ISO100
V3

1 Nikkor 70-300
(換算:810mm)
V3
Nikkor 300/4 PF
+ TC14E-III

(換算:1130mm)

<評価>
 眼からウロコである。1 Nikkor 70-300では、多少フレアー気味にあるが、コントラスト処理を加えれば使えるレベルであると考える。Nikkor 300/4 PF+1.4倍テレコンでは、かなりの良像が得られると評価する。絞ったときの解像度劣化が共に激しいが、V3のピクセルピッチが狭いことから、小絞りボケ(回折による解像度の劣化)が顕著に表れるのだろうと推察する。
 フォーマットの小ささを活かすことを狙うなら、μ4/3システムの検討は棚上げして、しばらくはV3の活用を考えてみたい。「探し続けた青い鳥は身近にいた」のかもしれない。

位相差AFの基本原理 Principle of Phase Detection Autofocus
 デジタル一眼レフのAF(Autofocus: 自動焦点) においては、ファインダーを覗いている時点ではミラーレスカメラと違って撮像センサーに画像が投射されていないため、センサーの出力画像を用いたコントラストAFが使えない。そのため、一眼レフではミラーの中央部を半透明にし、ここを通過した画像の一部を使って位相差AFを行わせる。その原理が頭に直感的に入らないので、原理図をここに載せた。
 これを見ると、・明るい(F値の小さい)レンズほどAFセンサー上に結ぶ像の変位が大きいことから、AF精度が上がるポテンシャルを有すること、・F値が変われば結像部が移動するので、F値に対応する個別のセンサーが必要なこと、が理解できる。

  <2017-3-25記>   

保護フィルターの功罪 Merits and demerits of a protect filter
 レンズの保護のため、透明の保護フィルターを用いる人も多い。私も500mm/F4以外のレンズは全て付けている。この保護フィルターが画質を劣化させるか否かの議論が時として提起されるが、光学的にどのような影響があるか検討してみた。フィルターの厚さをT、屈折率をnとした。
 下図に示したように、フィルターがない場合、a点からレンズに入った光は、理想的なレンズでは全てある一点bに焦点を結ぶ。焦点距離をfとすれば、周知の関係は下記の通り。
1/a +1/b =1/f .       (1)
 ここにフィルターが入ると、a点からでた光はフィルター内で位置を平行移動させられる。レンズから見ると、その光はa*点から放射されたように認識される。この光源位置の変位D(=a-a*)が光の入射角θに関わらず一定なら、センサー上に結ぶ焦点位置b*は変化せず、収差を悪化させない。解析結果を下図に示す。Dは次のように導出された。
D=a-a*=T(1-1/n)cosθ .(2)
 Dは入射角θに依存するので、原理的には合焦位置が変位する。実際どのくらい変位するのであろうか。θ=0、および30度、T=2mm、n=1.5としたら、Dの変化は約0.1mmとなった。一般的な写真撮影で用いるレンズでは被写界深度の中に入るので、無視できる変位であろう。ゴーストやフレアーの発生などを極力抑えたいなら外すのも考えられるが、 普段使いでは保護フィルターによる画像劣化を気にする必要はないと考える 。 
 いっぽう、使う目的は明白で、様々な汚れからレンズの前玉を守り、傷付かないようにすることである。かつて、カメラごとレンズを地面に落とした事があり、保護フィルターが割れた。さいわいそれほど衝撃が強くなかったようで、レンズの前玉には傷が付かなかった。フィルターを付けていて良かったと思えた瞬間である。  <2017-3-17記>   

新Tamron 150-600mm G2評価  An evalucation of a new Tamron 150-600mm G2
 コストパフォーマンスの良い150-600mmズームレンズ(A011)をTamronが発売したのは2013年12月で、その後Sigmaが同じ焦点領域のレンズを二種、Nikonが200-500mmを発売した。来年にはCanonが同様のレンズを発売すると噂されている。
 キツツキはA011を購入し、しばらく使ったがボディーと同じNikkor 200-500mmが都合よいのでこれを購入した。しかし、下の「新D500システム評価」に述べたように解像度にはほぼ満足していたが、幾つかの点で不満があった。すると、Tamronが改良版(A022)を発売するとアナウンスした。@レンズ性能を改良した、A重さがNikon製より300g程度軽い、B任意の焦点距離でクリックストップできる、Cレンズフットがアルカスイス互換、とアナウンスした点に大いに期待した。@は自ら評価しなければ納得しないが、A〜Cはカタログ上で確認できる。
 もしレンズ性能がNikkor 200-500mmと同等以上だったら、A〜Cの利点により買い替えたいと考えていた。ネットや雑誌上でのプロやアマの報告によるとかなりよさそうである。そこで昨日下取り購入し、いつものように解像度テストをした。下記に示す。
 
ボディ/レンズ
(等倍に拡大:140x140ピクセル) / ISO100
D500

Tam 150-600 G2

(換算:900mm)
D500

Tam 150-600 G2
Tamron TC-X14

(換算:1260mm)

<評価>
 同じ条件で3枚ずつ撮影し一番良好なのを採用したが、かなりばらついた。その結果、換算900mmでのF8で少し解像度が悪い結果となったが、 これはバラツキの範囲だと考えている。 下に述べた「新D500システム評価」と比べて、Nikkor 200-500と置き換えたことは総合的に見て正解だったと満足している。
 懸念していたのは、1.4倍のテレコンをつけると合成F値が9前後になるので、AFが効くかどうかということだったが、少なくとも直射日光が当たっている昼間の明るい被写体では問題なく合焦した。  <2016-10-12記>

D500とD750の高感度特性評価  A sensitivity performance evaluation of D500 and D750
 D500の大きなうたい文句の一つに高感度特性がある。拡張で1,640,000まで設定できるが、自分の場合どこまで使えると判断するか試写してみた。レンズの個体差による焦点ずれの可能性のある位相差AFは使わず、ライブビュー(コントラストAF)で合わせた。
 画像はJPG撮って出しで、シャープネスなどは上げていない。「高感度ノイズ低減」は共にNORMである。大型三脚につけ、ミラーアップ、リモートレリーズで撮影した。

   ■レンズ: Micro Nikkor 60mm/F2.8 ED @F5.6
   ■被写体: セキセイインコのはく製
   ■被写体までの距離: 約3m(D500)、約2m(D750)
   ■被写体の明るさ: F5.6、ISO100で、シャッター速度:1/5秒

カメラ
ピクセル等倍に拡大:140x140ピクセル
D500



拡張増感:
102400以上
1640000迄
D750



拡張増感:
25600以上
51200迄

<評価>
 NHKのある教育番組で「やってみなけりゃわからない」というフレーズが使われていたけれど、まさにその通りであった。拡張感度の数値だけが独り歩きしていて、あたかもD500はものすごい高感度特性を実現したかのように感じるが、試写の結果は「APS-Cにしては素晴らしいが優れたフルフレームを超えてはいない 」という印象である。(日本ではフルサイズと呼ぶ)

 アメリカの評価サイト:DPREVIEWが「APS-Cでは最も優れた高感度特性をもつNikon D7200に肉薄している」との評価を公表しているのを見た時は半信半疑であったが、実際自分で撮影した結果、DPREVIEWの評価は的を射ていると確信した。そのD7200に優るD750を下取りに出さなくてよかったと思った。

 ただ、上記の結果から拡張感度(ISO102400/D500、ISO51200/D750)が直ちに使えるか否かという判断はできない。これらの画像はピクセル等倍に拡大した場合であって、実際削減しない画像では十分使えると判断できる場合もある。
 どこまで容認できるという閾値は、ネットなどの情報を集めてみると個人により大幅に異なると感じている。たとえば劣悪な撮影環境にいる野鳥の場合では、「まずは種の識別ができればよい」という条件での撮影もたまに生じる。
 <2016-5-1記>  

新D500システム評価  A new system construction with a brand-new D500
 野鳥、飛行機、スポーツなど動きもの撮影家が長らく待ち望んでいたAPS-CのフラグシップがNikonから2016年4月28日に発売された。秒間10枚の連写、-4EVでAF可能、AF速度・精度の改善、高感度時雑音耐性の改善、大きなファインダー像などがうたい文句である。キツツキもD7200: 2台、D7100:1台を下取りにD500を2台発売日に入手した。おそらく当システムが最後の撮影機材になると感じている。

 いっぽうフルサイズのD750の扱いに悩んだが、大きなピクセルによる余裕の高感度雑音耐性や大きなファインダー像に優位なポテンシャルがあると想定されるので、現時点では残すことにした。野鳥以外の撮影にはD750を使う予定であるが、D500との比較は今後も続けざるを得ないだろう。

 D500を入手したので早速解像度チェックを行った。被写体はいつもの[ 75m離れたM12ボルトの被写体 ]である。なお、画像はJPG撮って出しで、撮影後のシャープネスは変えていない。アンシャープマスクを適切にかければ、ここに挙げた画像もかなり改善できる。
 
ボディ/レンズ
(等倍に拡大:140x140ピクセル) / D500:ISO100, D750:ISO400
D500

Nikkor 500/4 FL

(換算:750mm)
D500

Nikkor 500/4 FL
TC-14E III

(換算:1050mm)
D500

Nikkor 500/4 FL
TC-17E II

(換算:1275mm)
D500

Nikkor 500/4 FL
TC-20E III

(換算:1500mm)
D500

Nikkor 200-500/5.6

(換算:750mm)
D500

Nikkor 200-500/5.6
TC-14E III

(換算:1050mm)
D500

Nikkor 300/4 PF
TC-14E III

(換算:630mm)
D750

Nikkor 500/4 FL

(換算:500mm)
D750

Nikkor 500/4 FL
TC-14E III

(換算:700mm)
D750

Nikkor 500/4 FL
TC-20E III

(換算:1000mm)

<評価>
 D7200およびD500の画素数はそれぞれ2400と2000万だから、絶対解像度はD7200のほうが高いと予想していたが、ほぼそのとおりであった。いっぽう、D500にテレコンバーターを付けたときのAF精度は高く、1.7倍でも2倍でも十分使えることが分かった。また、200-500mmズームに1.4倍テレコンが能力を発揮するのにも驚いた。荷物を軽くしたいときには積極的に200-500ズームを使える。
  (2016-4-29記)

■75m離れた評価用対象物(M12ネジ)。Nikkor540とD7200での撮影画像。(2015-4-20)

<追記>  フルフレームとAPS-Cを同時に使っていると、レンズの焦点距離の換算、選択レンズの重複など煩わしさがつのり、結局D750を下取りにもう一台D500を購入した。これでAPS-Cに統一され、全体のシステムが扱いやすくなった。唯一の懸案はフラッシュを内蔵したボディがなくなったことである。(2016-5-20記)
新Nikkor 200-500mm評価  An evaluaton of a brand-new Nikkor 200-500mm
 Nikonからサードパーティの向こうを張って200-500mm/F5.6ズームレンズが9月17日に発売された。それもサードパーティの望遠端がF6.3なのに対し、F5.6通しで多少明るい。手持ちのSigma 150-600のズーミング回転がNikkorと逆方向でもあり、このNikkorの前評判も良かったことから、Sigmaを下取りに発売日にこれを入手した。早速いつもの解像度テストを行った。
 レンズフットには三脚、カメラボディーには一脚をつけて四脚とし、ミラーアップしてリモートレリーズで撮影した。被写体はいつもの[ 75m離れたM12ボルトの被写体 ]である。結果は期待通り満足のいくものであった。
 
ボディ/テレコン
500mm端撮影画像(等倍に拡大:140x140ピクセル) / D7200:ISO100, V3:ISO160
D7200

(換算:750mm)
D7200
+
TC-14E III

(換算:1050mm)
Nikon 1 V3

(換算:1350mm)
Nikon 1 V3
+
TC-14E III

(換算:1890mm)

 レンズの性能は言うまでもなく解像度だけではないが、遠方の小鳥撮影画像に対してはほとんど削減するので、解像度が最も重要な要素である。評価実験の結果、単焦点の500mm/F4に比べればフレアがわずかに大きく、コントラストは下がり気味ではあるが、解像度に関してはかなり高い評価が与えられる。c/pは極めて高い。また、1.4倍テレコン使用時もそれほど画像劣化がなく、十分実用的である。
 一方、Sigma150-600Cに比べて明確なアドバンテージがあるかといえば微妙である。純正レンズの安心感、同じズーム回転方向に価値を見いだすのでなければ、どちらを選んでも同じような画像品質が得られるだろうと思われる。  <2015-9-19記>

V1 vs. V3 評価  A comparison of Nikon 1 V1 vs. V3
最近Nikon 1 V3が発売された。
画素の仕様は右記の通り。
ボディー
ピクセル数
ピクセルピッチ
V3 1839万 (5232x3488)2.52 μm
V1 1004万 (3872x2592)3.41 μm
D7100 2400万 (6000x4000)3.92 μm

 ある評価機関のサイトに解像度を含む画質は両者でほとんど差がないとの記事があった。そのような情報もあり、さらにV3はD7100やD600とバッテリーおよびメモリーカードが異なるので、海外長距離旅行には向かず購入をしないつもりであった。
 しかしごく最近のテストでV1と500mm/F4との相性がかなり良くて使えることが分かった。それならピクセルピッチの小さいV3が有利であるので、上記の短所に目をつぶって一台購入した。V1と V3で超遠方の小鳥を撮る条件である。システムは下記の通り。過去のテストではF8が最も良いことが分かっているので、絞りはF8固定、ISOは400としている。

レンズ
Nikkor 500 / F4
Nikkor 300 / F4
テレコン
TC-17E U
ボディー
V3
V1
V3
V1
ピクセル
等倍
削減
ピクセル
同大
削減

 500mmでは差がなく、300mmでは差が出た。300mmでは拡大率が大きく、ネジのピッチに対しセンサーのピクセルピッチが不足したためと思われる。500mmで差がなかったのはレンズの解像度が飽和したからであろう。
 ただ1 Nikkor 10-100mmレンズを用いて風景を撮るような場合には、明らかにV3の高精細度が活きたので、購入は無駄とはならなかったが、高価な買い物であるため多少不満が残る。
 いっぽう、また300mm/F4がことのほか素晴らしい、巷で称賛されている理由がうなずける。 <2014-8-2記>

優れた野鳥写真を撮るには Factors for superior bird pictures
 この四年間、集中して野鳥写真を撮ってきたが、よい野鳥写真を撮るために試行錯誤してきた。おぼろげながら、何が最も写真の質に関与するかがわかってきた。ここで言う野鳥写真とは、決して「野鳥が写っている芸術作品としての写真」ではなく、あくまで「図鑑に載せるような日の丸構図の拡大写真」である。この両者は撮り方の基本がかなり異なり、かつ「芸術作品としての写真」をまともに論ずるセンスも力量も私は持ち合わせていないので、後者についてのみ考察する。

 豊かな階調をもち、かつ高精細な図鑑的野鳥写真を撮ることに影響を与える因子は、大別して四つあると考えた。それらは、
                   距離、 大気、 光、 機材
であり、これらの「和(OR)」ではなく「積(AND)」で効いてくる。

1.距離: 撮像素子上に投影された野鳥の羽毛を高精細に描写するためには、撮像素子上に投影された羽毛の一本一本より撮像素子の画素ピッチは小さくなくてはならない。手元にあるオオセグロカモメの羽の羽脈を顕微鏡で観察したら、おおよそ1mmに30本あった。一本が約30μmである。私が今使っているNikon D7100はAPS-Cの撮像素子で約2400万画素あるから、画素ピッチは約4μmである。粗い計算でいえば、オオセグロカモメの羽脈をきちんと撮るには、羽脈一本に2ピッチ必要であるから、撮像素子上での拡大率が1/4以上必要となる。
 つまり、「高い解像度をもつ良い写真を撮るには近づけ」ということになるのであるが、これはまた「野鳥に強い観察圧を与える」結果になるので節度が必要である。野鳥の種類、周囲環境などにより節度ある距離は異なるので、固定的な数値を設定できないが、森林の中の小鳥に対してはおおむね10mが最低距離であろう。干潟など開けた場所の水鳥は50mにさえ近づけないことも多い。
 また、正しいマナーとして育雛中の巣を撮ることが禁じられているのは、その時期には親鳥の警戒心が特に強く、人間を含めて捕食者に敏感であるからである。近づいたことにより育雛を放棄した例をしばしば聞く。

2.大気: 野鳥との距離が長くなると中間の大気中での光の揺らぎが無視できなくなる。とくに陽炎が目立つような場合には悲惨な結果となる。フィールドスコープの結像をコンパクトデジカメで拡大して撮影する、いわゆるデジスコでは35mm換算で数1000mmを超える焦点距離が比較的容易に得られるが、実は遠方の野鳥にはほとんどその効果を発揮できない。拡大はできるのであるが、その分画像も潰れて写る。遠方の野鳥を撮るために持ち出しているのに効果が発揮できないというのは皮肉な話である。
 今まで何回かデジスコを使ってきたが、期待した効果が得られない場合が多いのそのためである。デジスコの宣伝には、野鳥が画面からはみ出すような写真を載せていることが多いが、近接することにより大気の影響を軽減するために外ならない。大気の影響が大きいことは、靄がかかった状態を想定すれば、容易に納得できる。

3.光: カメラの撮像素子は、光の量にほぼ比例した大きさの信号(電圧)を取り出すが、かならず雑音としての偽の信号が重畳する。野鳥の映像による信号がこの雑音信号に近づけばその分だけ画像が荒れる。平たく言えば信号対雑音比(S/N比)の悪化である。
 また順光より逆光のほうが野鳥の微細構造をつぶす。写真作品では逆光の方が印象的な画像が撮れる場合があるが、野鳥そのものに焦点を当てれば階調や精細感は劣化していることが多い。

4.機材: 主にカメラの性能である。ダイナミックレンジ、階調、解像度などは当然強く影響するが、距離が遠くなればその効果は減殺される。近ければ近いほど、より性能の低いカメラでも相対的に良い画像を撮ることができる。
 近年、換算1000mmを超えるコンパクトデジカメが各社から発売されているが、削減しなければかなりの良像を得ることができる。しかし狭いダイナミックレンジは如何ともしがたく、白飛び・黒潰れが発生する度合いが増し、期待した階調が得られないこともある。
 価格、重さ、大きさを無視すれば、いわゆる大砲と呼ばれる単焦点超望遠レンズ、たとえば800mm/F5.6、600mm/F4、あるいは500mm/F4にフルサイズあるいはAPS-Cフラグシップモデルのカメラボディーを組み合わせたシステムに勝るものはない。
 いっぽうカメラの性能を引き出すためには三脚も重要である。重く、振動をよく吸収し、扱いやすいものが望ましい。
 <2014-3-6記>

追加>重要な因子を忘れていた。撮影技術である。
5.撮影技術: 三脚を固い地面に置き、シャッターは羽にさわるように押す、できるならリモートレリーズを使う。ピントはライブビューで追い込むのが良いのは当然である。逆光時にはとくに露出補正が重要になる。しかし、人間の意のままにならぬ野鳥の行動は、これらの技術を駆使できる機会を奪うことも多い。
 <2014-11-11記>

大口径レンズの利点 Advantages of big-aperture lens
 2012年1月に500mm/F4レンズを入手してから、解像度、コントラストなど画質の素晴らしさに感動していたが、もう一つ重要な利点に気がついた。木々の枝が茂っているようなところで姿が見え隠れしている小鳥を撮ると、自動焦点動作が働く範囲が広いようなのである。そこで下図のような光路を考えてみたら当然と思えた。 <2014-2-8記>
  

メインのシステム(2012年8月) My main system as of August 2012

 メインのシステムを担いで、インドネシア・スラウェシ島のタンココ自然保護区を往く。道らしきものはこれ一本だけである。野鳥を求めては、右側のジャングルに分け入る。ジャングルにはほとんど下草がなく薄く枯れ葉が敷き詰められているからどこでも歩けるが、その為かえって迷いやすく危険である。く2012-7-1>。

 メインのシステム(Nikkor 500/4+TC14E+D7000)は三脚:Gitzo 3541、雲台:Benro GH-2こみでほぼ9kgである。サブカメラシステム、双眼鏡、レンズの雨覆い、携帯椅子、雨傘、ポンチョ、水などを含めると全部で15kgにはなる。 重さにはなんとか慣れたが、長い上り坂はいまだにつらい。とくに温度・湿度ともに高い熱帯ジャングルではなおさらだが、初日はほぼ8時間歩きづめだった。次々と初見の鳥がでてくるとつらさを忘れる。げんきんなものである。

 ほとんど左肩でかつぐので、鎖骨の上は堅くなりつつある。三脚だこであろうか。背骨のまがりに癖がつきはしないかと時々右肩にするが気休めだろう。30歳台半ばにぎっくり腰をやった後遺症だろうか、電車の中で30分も立っていると左足がしびれてくるが、初見の鳥が次々にでてくると8時間歩いても大丈夫だった。  <2012-8-25記>


Nikonによるシステム構築(2012年1月)  System construction with Nikon as of Jan. 2012
 この2年間、様々なシステムを構築し比べてきた。Kowa TSN884とNikon 1を用いたデジスコが35mm換算2430mmとなり、APS-Cデジタル一眼とコンパクトデジカメを用いたデジスコの中間の性能でそれなりに満足していた。しかし順光で明るい場面ではほぼ満足できるが、逆光でさらに全体が暗くコントラストの低い被写体では解像度は目に見えて低下し、場合によっては焦点が合わない。またカラーバランスがソフトによるレタッチで修復できないほど崩れることもある。
 このような状況の下、Nikon 1は従来のNikonのAFレンズ資産をほとんど使うことができ、さらに焦点距離を伸ばすコンバーターTC-14Eが利くことがネットで報告された。特に70-300mmや500mmで十分に働く。それらを下記の表にまとめた。

カメラボディ
レンズ
TC-14E
換算焦点距離(mm)
Nikon D7000 60 - 300 × 90 - 450
Nikon D7000 500 × 750
Nikon 1 V1 60 - 300× 162 - 810
Nikon D7000 500 1050
Nikon 1 V1 500× 1350
Nikon 1 V1 500 1890

 とくにNikon 1 V1とTC-14Eを合わせると1890mmが実現でき、デジスコに肉薄する換算焦点距離になる。また、D7000とV1のリチウムバッテリーが共通なのも使い勝手が良い。これらの 状況を勘案し、すべてのシステムをNikonで統一することに決心し、本日Penatxの全てをNikonに換えた。2003年以来買いそろえてきたPentaxシステムの下取り総額と新システム購入の価格差が5%しかなかったのも背中を押した。

 昨年PentaxからQが発売された。1/2.3型センサーを使うから35mm換算で5.5倍となる。これが従来のレンズを駆動できればPentaxを使い続けるつもりだったが、Qの電池がコンパクトデジカメのそれと同じで小さく、これでは大きなレンズを駆動できそうもない。Pentaxは個性的なレンズも多く、K-5の完成度も高いのであるが、いかんせん野鳥撮影には対応しがたかった。
 また、Pentaxは自社のデジタル一眼レンズを流用するコンバーターを発売しないので、そのような総合的なシステム構築を想定していないと推定した。この事情もNikonに移行させるきっかけとなった。全Nikonシステムの今後の試写、フィールドテストが楽しみである。

 また、鳥以外の全ての対象に対して、次のレンズシステムで対応することにした。

対象
レンズ
ボディ
野鳥、天体拡大 AF-S 500mm/F4 VR D7000 / V1
野鳥、遠景 AF-S VR 70-300 / F4.5-5.6 D7000 / V1
全般、標準 AF-S DX 16-85/F3.5-5.6 VR D7000
マクロ AF Micro 60mm/F2.8 D7000
スナップ、室内 AF-S DX 35mm/F1.8 D7000

<2012-1-16記>


データ保存には何がよいか?

<背景>
 仕事でも趣味でもパソコンに頼るようになると、保存するデータが山のようにたまる。特に、写真の画像データ保存や書類のpdf化を行いだすと際限がない。たぶん、今では世界で億という単位で頭を悩ませている人達がいるだろう。私自身もまもなく、保存すべきデータが1T(テラ)バイトにせまっている。ごく一部のRAWデータだけ残し、ほかは中程度にJPG圧縮したにもかかわらず。

<CD-RやDVD-Rは危険>
  このデータの保存には、多くの手段がある。過去に様々な手段が供せられてきたが、時代とともに消えていったメディアも多い。詳しくは記さないが、これらのメディアの共通点は保存性が悪いことである。100枚を超えるフロッピーディスクを整理するために読んだら、10%以上読めなかった。CD-Rもかなり保存性がわるい。

 私は今はやりのCD-RやDVD-Rをまったく信用していない。これらを太陽光にさらすと1日とたたずに真っ白に変色する。たとえ暗闇でも酸化雰囲気中では室温の熱によるデータ破壊が確率的に起きる。十分な保護膜を均一につけていない粗悪品では特に始末が悪い。この種のメディアではMO(magneto-optical:磁気光学)の信頼性が高いが、日本だけで普及し、結局今は廃れつつある。熱と磁気を同時に加えて記録するので、記録エネルギーが高く、その分データ破壊に高いエネルギーを要するからであろう。

 これらのメディアはそのドライブの存続性も問題だ。最近ではフロッピーディスクドライブを内蔵したパソコンがどんどん消えて行っているが、フロッピーで記録している人は困るだろう。CDもCD-RやCR-RWに加え、プラスとかマイナスとか何が何だかわからなくなる。

<ハードディスクを選ぶ>
 では何がいいかということである。上記のメディアの他の欠点は記録速度が遅く、かつ容量が最大でも数ギガバイトしかないので、多くの枚数を必要とし、その分だけデータ破壊の危険性が増すし、管理も煩雑になる。記録速度が遅いということは、頻繁な対応が面倒になり結局バックアップがおろそかになる。

 私はハードディスクドライブ(HDD)を選択した。デスクトップパソコン・マザーボードのe-SATAコネクターに全く同じ外付けHDD二台を直接接続し、常にこの二台に同時にデータを保存する。一台が壊れたら、その時点で入手できる最善のHDDをつなげばよい。同じものである必要はない。この点は重要である。現在のUSB2やIEEE1384は遅くて、結局バックアップがおろそかになる。ものぐさな人ほど記録スピードが決め手である。現在では1テラバイトでも1万円台になって求めやすくなった。

 パソコン本体のHDDにはOSとアプリケーションソフトだけ入れる。ここにデータを入れたら画竜点睛を欠くことになる。使い方も含めたOSやアプリケーションソフトの不備によって、HDDをフォーマットせざるを得ないことがあるので、その時には一緒にデータも消えてしまう。

<RAIDでも万全ではない>
 HDDも壊れる。世界でもっともHDDを沢山使用しているのはGoogleであるそうだが、彼らのHDDの平均寿命は3年であるとのニュースを聞いたことがある。HDDは電源をオンしたスタート直後に壊れる確率が高いのであるが、Googleのサーバーは24時間稼働であろうから、彼らの使用条件が特に厳しいというわけではなかろう。一般的な故障率であると考えてよいと思う。

 HDDは壊れるけれど、RAIDにすれば安全だという“常識”は必ずしも当たっていないと私は思っている。「RAIDのコントローラーが壊れたらどうするのか?差し替えできるコントローラーを載せたボードがこの先10年も準備されているのか? かつ壊れたHDDを取り換えればいいというが、その時に差し替え互換性のあるHDDが入手できる保証はあるのか?」という疑問に応えてくれるメーカーはない。まあ、多少聞きかじった半素人の私がこんなふうに思っているので、玄人は先刻承知だろうと思う。

  そこで、上記のように同じe-SATA-HDD二台をボードに直接接続する方法を選択したのである。e-SATAを介したやりとりは現在一般にアマチュアが入手できる最高の書き込み速度であるから、これに満足しなければ他に選択肢はない。オフィスに2台、自宅に2台を保存用に設置している。

<究極の保存メディアは紙>
 何年か前、米国の国立公文書館が、最も信頼できるメディアに紙を選び重要な記録は紙で残すと発表した。コンピュータ用メディアの歴史は高々この数十年であるが、紙は3000年でも立派に残っている(もちろん今普通に用いられている酸性紙などは論外で、天然繊維などそれ相当の材質が必要であろう)。

 納得いく選択ではあるが、現在の情報・通信産業には皮肉な選択となった。ディスプレイ上の文章の解読度は紙のそれの80%程度という研究結果を聞いたことがあるが、その点でも紙がすぐれている。80%という数字の確度はともかくとして、きちんと文章や図面をチェックするときには必ず紙にプリントアウトするから、その傾向は理解できる。   <2008-9-23記>

[追記]<SSD(Solid State Drive:固体ディスク)の信頼性>
 最近、フラッシュメモリで構成したSSDが用いられるようになってきた。HDDに比べて読み出し速度が高く、機械的な可動部分がないことから振動などにも強いことが評価されて、持ち運ぶラップトップ・コンピュータから用いられ始めた。OSの読み込みも速いから、電源オンからの待ち時間も短い。フラッシュメモリの低価格化によって、HDDの価格に近づいてきたことも普及に輪をかけている。このSSDはHDDの信頼性と比べてどのような位置づけにあるのであろうか。またその将来性は?

 SSDの信頼性は、まさにフラッシュメモリの信頼性にほかならず、私のような半導体デバイスを開発してきた者にとって、必ずしも手放しで受け入れられる状況ではないと思っている。半導体製品は、その構成要素たるトランジスタが小さくなればなるほど単位面積に多くの機能が凝縮できるから、機能当たりの価格は安くなる。ビット当たりのメモリの価格は30年間で100万分の1になったのがよい例である。トランジスタが小さくなると様々な擾乱に弱くなり、その対策のために多くの新技術を投入してきた。コンパクトフラッシュやSDメモリカードなどは、動作時に個々のトランジスタの性能を監視してして、劣化の激しいトランジスタは、使用を制限したり、排除したりすると聞いている。また特定のメモリセルに書き込みが集中しないようにコントローラーで制御するともいわれる。

 詳しくは記さないが、すでに64GBのSSDが2台も壊れた個人的な経験から、SSDはHDDと同じように壊れるものだという前提の下に使っていかねばならないと思う。   <2010-12-28記>

[追記]<石英ガラスにデータを数億年保存> マイナビニュース(http://news.mynavi.jp/news/2012/09/28/093/から転載)
 日立製作所(東京都千代田区)は、京都大学工学部の三浦清貴教授らと共同で、耐久性の高い石英ガラスの内部に、コンパクトディスク(CD)並みの容量のデータを記録・再生する技術を開発した。記録の劣化がないまま数億年以上の保存が可能なことから、歴史的に重要な文化遺産や公文書などの新たな保存技術として期待される。

 記録媒体として普及しているCDやDVDなどは、高温湿潤の環境や直射日光などに弱く、条件が良くても100年ほどしか記録保存できない。デジタルデータの長期保存方法として、研究チームは、耐熱性や耐水性に優れる石英ガラスに着目した。 石英ガラス内部への書き込みとして、レーザー光線1発の持続時間(パルス幅)が数兆-数百兆分の1秒にまで短パルス化した「フェムト秒パルスレーザー」(1フェムトは1,000兆分の1)を使い、屈折率の異なる微小領域(ドット、点)を作り、ドットあり(1)とドットなし(0)のデジタルデータを記録する。

 今回は、レーザーのパワーやドットの間隔などを最適化して、幾層にも重ねて記録する多層記録技術や、レーザー光線の振幅や位相を2次元的に変調できる「空間位相変調器」を用いて、一度に100個のドットを記録する一括記録技術を開発した。 また、市販の光学顕微鏡を使って簡便にデジタルデータを再生し、読み取る技術も開発した。通常は、多層に記録された石英ガラスを光学顕微鏡で撮影すると、他の層のドット像がノイズとして映り込み、読み出したい層の画質が低下してしまう。これに対し、焦点距離を変えた画像を用いてドットのコントラストを強調する処理技術を開発することで、ノイズ問題を解決した。

 これらの開発技術によって、石英ガラス内の4層に記録し、単位面積(1平方インチ)当たりの記録密度をCDの35メガバイトを上回る40メガバイトを実現した。また、数億年以上の保存期間に相当する「1,000℃、2時間」の加熱試験でも、データの劣化もなく再生できたという。 <2012-10-4記>
[追記]<e-SATA外付けHDDが市場から姿を消す>
 現在使っている2TBのHDDがそろそろ一杯になってきたので、4TBのHDDを購入しようと有名な量販店に行った。ところが一般アマチュアが使うようなe-SATA外付けHDDが生産中止になっていた。I-O data、Buffalo、WDなど何社かあるのだが全部もう製造していない。焦ったが、G-DRIVEというプロ向けのものがあった。汎用品の2倍以上の値段であるが、筐体が大きくしっかりしており冷却能力も高そうだ。

 HDDは周囲温度が上がると加速度的に信頼性が落ちるので、冷却能力は重要だ。これを使うとしても、今使っているHPとDellのデスクトップPCが壊れたときにe-SATAを繋げるPCが入手できない恐れが高い。これらはシリーズの最上位機種で、ほぼ三年前に買った当時でも最上位機種しかe-SATAインタフェスが外部に出ていない。

 時代はUSB3.0に移行している。転送能力はe-SATA同等なので問題は無い。もうほとんどがこれに統一されつつある。今まで多くのインターフェスが出現し、消えていったがまたかという気持ちだ。おまけにThunderboltという新しいインターフェスが出てきた。AppleがまずMacintosh用に提唱している。ただ、歴史的に見るとAppleの提案するインターフェスは出始めは性能でぬきんでて、Macintoshを先頭に使われるが、そのうちにWintel系に乗っ取られてきた。SCISIもそうだし、近くはIEEE1394(Firewire)もWintel系では消えかけている。USB4.0などというインタフェス が提唱されているかどうかは寡聞にして知らないが、ThunderboltがApple独自のインタフェスだとしたら同じようなシナリオが頭をよぎる。 <2014-11-18記>



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