www.woodpecker.me 更新日=2024-6-1

 ■自然風物
   印象的な自然と風物

主要更新
◆'24-10-6:[オリンパスで蝶撮影][ギフチョウ][トラマルハナバチ]削除。
◆'22-4-8:[E-M1Xで蝶撮影(2019-9-19)]削除。
◆'20-7-22:[蛾の蛹(2020-5-15)]削除。
◆'18-5-20:ハナアブをトラマルハナバチに修正。
◆'17-2-21:以下の項目を削除:[志賀高原][立山・室堂平][花と蝶][桃色卵][野兎][砂の太麺][砂団子][ブタクサ][不思議な風][オタマジャクシ]。
◆'10-7-23:本欄新設
アオハダトンボ Calopteryx japonica
 ふらっと寄ってみた。野鳥はさっぱりだったので、目の前に出てきたトンボやハムシを撮った。草の葉の上を接写している老人に出会ったので話しかけてみると、トンボやハムシを撮っているという。さっき撮ったトンボを見せると、「絶滅危惧種のアオハダトンボで、ここは知られた生息地である」という。まもなく自然ガイドと称する人が加わり、ひとしきり野鳥・昆虫談義に花を咲かせた。トンボは日本に600種ほどいるそうで、チョウやトンボもまた魅力的な対象であると再認識した。 <2024-6-1記>

  アオハダトンボ 左:♂、右:♀ あきる野市平井川 (Nik28-400/Z8(400mm)) 面積削減:左1/32,右1/6。

アサギマダラ  Chestnut Tiger
 T.T氏の友人E氏に誘われてアサギマダラが集まる場所に案内してもらった。ここにはE氏らのグループが人為的にフジバカマの群落を維持しており、ここにアサギマダラが集まる。その場所が五ヶ所あり、うち二ヶ所を訪れた。最初の場所には2頭、次には3頭舞っていて十分撮ることができた。アサギマダラは人を恐れず、10cmの距離からでも十分撮れた。

 最初に出遇った個体にはマーキングがあり、「?. ZAO 8・13 ds47」と読めた。ZAOが「蔵王」だとすると最初の?文字は「M」かもしれない、あるいは書き損じ? 8・13は多分マーキングした日付、ds47はマーイング者のイニシャルと年齢?と推定。蔵王は毎年数千頭のマーキングを行っている主要な場所の一つらしい。

 二番目の場所にはクロツバメシジミが2頭いた。キツツキは10代半ばから30代前半まで蝶の採集をしていたが、局地的な希少種の本種は見ていない。本日が初見であった。  <2023-10-16記>
 

外来蝶  An exotic butterfly
 ミドリシジミを撮りに行った際出てきた。スジグロシロチョウ似だがそれより大きく、オオゴマダラ似だがそれより小さい。飛び方はオオゴマダラよりは素早いが、シロチョウ並みである。下に写真を載せる。手持ちの著名な図鑑を見ても出ていない。ネットで調べると、アカボシゴマダラの白化型らしいと分かった。  <2021-6-21記>


越後湯沢・花旅行  Flower Watching in Echigo-yuzawa 写真クラブの友人、T.T氏とカタクリやミズバショウを狙って越後湯沢に来てみた。カタクリの里はかつてT.T氏が訪れて、沢山のカタクリが群生していることを確認している。そのカタクリは期待を大きく超える密度で、ムラサキの色合いも濃く、まさに真っ盛りだった。またユキワリソウも教えてもらって、足かけ2日間集中して撮影した。花の撮影には、野鳥と違った難しさがある。はいつくばった姿勢がきつく、延べ2時間程度なのにくたくたになった。
 ミズバショウは現地に着いてから情報を探し、上田の里水芭蕉園を訪れてみた。園は山の裾野の休耕水田にミズバショウを植えたような風情で、まばらにしか生えておらず、これからという処だった。咲いている花は盛りを過ぎた感じだった。
  <2021-4-22記>


タイワンリス  Taiwan Squirrel Callosciurus erythraeus thaiwanensis ヤマシギを狙って舞岡公園に入ってすぐ「ワン、ワン、ワン、ワン ……」としばらく犬の鳴き声が続いた。ワンワンよりはむしろ「バウ、バウ、バウ、バウ ……」のほうが近いもしれない。この公園には犬を連れて入ってはいけないはずなのにおかしいなと思っていた。
 3時間粘ったがヤマシギは現れず、現場を離れ出口に近づいたらまたあの「バウ、バウ」が聞こえた。ふと上を見ると、目の前の木の枝にこれが留まって、口を膨らませて吠えていた。丁度猫ぐらいの大きさだったが、体はまさにリスだ。悪名高き(リス自体に責任はないが)外来生物の タイワンリスだと直感した。換算800mmのレンズでは半身しか入らない。まもなく、リスは枝から枝に飛び移って遠くへ去ったが、まるでムササビやモモンガのように軽快に飛んだのにはびっくりした。 <2021-1-27記>



[外来種問題]  Wikipediaより抜粋
 元々台湾に分布しており、日本では1935年に伊豆大島の公園から逃げ出したのを皮切りに、神奈川県南東部、静岡県東伊豆町、岐阜市、大阪市、和歌山市、長崎県、熊本県など日本各地に観光用として放されたり、逃げ出したりして広く定着している。神奈川県の江ノ島では、台風で飼育小屋が壊れたことで逃げ出し、弁天橋を渡って鎌倉市内に入り込んで繁殖するようになったと言われている。
 1980年代になり、個体数が増えて分布が拡大したことで在来種であるニホンリスと競合し、ニホンリスの地域的な絶滅要因になる可能性が懸念されている。コゲラやシジュウカラといった小鳥の巣がある樹洞の入り口をかじって広げ、中にいる雛や卵を食べる被害も報告されている。
 主に木の実を食べる。ツバキの蕾や収穫前の果実を食べることや、樹木の樹皮をはがして食べることがあり、食害が問題になっている地域もある。また地域によっては、電線や電話線をかじる、雨戸などの家屋をかじるといった被害も出ている。
 鎌倉市では、1999年からタイワンリスに対する餌付けを禁止し、捕獲作業を行っている。捕獲を開始してからは、年々捕獲数、被害相談件数ともに減少している。長崎県壱岐市や五島市では、植林したスギやヒノキの樹皮を食害したり、農園の果樹や農作物を食害したりする被害がでている。そのため、かご罠や捕獲檻などを使った駆除が行われている。
 伊豆大島では、島内で敷設されている送電線を、タイワンリスが渡ったりかじったりすることによる停電被害の未然防止のために、特別な皮膜で覆われたものに交換した。2005年に外来生物法による特定外来生物に指定された。したがって、飼育などが原則的に禁止されている。

キマダラカメムシ  Stink Bug  友人T.T氏とクロコノマチョウを探した後、帰ろうとしたとき氏の車からこの虫が地面に落ちた。見ると、カメムシの形をしており、今まで見たこともない種だった。写真を撮り、図書館で保育社の「原色日本昆虫図鑑(下)」を探したが、酷似する種は載っていない。それでも最も近いクサギカメムシをネットで探すと、まさにこの写真と酷似した画像が載っており、説明に「 クサギカメムシに似ているのですが‥」とある。そこに回答があり、「キマダラカメムシだ!」とあった。



 そこで「キマダラカメムシ」を調べたらWikipediaに画像と記述があり、このカメムシはまさにキマダラカメムシそのものであった。記述には次のようにあった(以下、抜粋)。
 キマダラカメムシ(学名: Erthesina fullo):カメムシ目カメムシ科の昆虫。
■形態: 成虫の体長は20-23mm。国内に生息するカメムシ亜科最大種である。大型の美しいカメムシであり、幼虫も体色に変化があって美しいと評される。 若齢幼虫は淡褐色に黒と朱の横縞模様が背面全体に並び、老熟幼虫は粉を吹いたような暗い灰色に、規則的なオレンジ色の模様が並ぶ。
■分布:日本(九州・沖縄本島・石垣島)、台湾、中国、東洋区。本種は台湾から東南アジアを原産地とする外来生物である。200年以上前長崎県出島から侵入し、その後各地に分布を拡げたとみられている。日本での分布域は広がりつつある。
■食性:食草はサクラ、カキノキ、フジ、ニセアカシア、クワ、エノキ、ウメが確認され、カキに関してはその果実(渋柿)からも盛んに吸汁し、またリンゴの果実も飼育下で代用食となる。
■生息環境: 市街地、都市部の街路樹、庭木などで普通にみられ、食草も広範にわたる。幼虫、成虫ともに4-11月に出現し活動する。産卵する樹木はソメイヨシノ、シダレザクラが知られている。成虫で越冬する。
 臭いカメムシ類であるが、アカスジキンカメムシ、アオスジキンカメムシなど美しい種も多い。    <2020-10-28記>

クロコノマチョウ  Dark Evening Brown Melanitis phedima 友人T.T氏の誘いで来てみた。クロコノマチョウが飛んでいるとのこと。10代後半から20代は蝶の採集が趣味だった。その当時、コノマチョウは四国まで行かねば捕れない垂涎のチョウだった。結局、当時は採集しておらず、今近くにいると聴いては行かざるを得ない。この蝶だけでなく、ナガサキアゲハ、アカボシゴマダラ、ホソオチョウなど南方系の種が年々北上している。温暖化によると言われている。

 このクロコノマチョウは止まっている最中ほとんど羽を閉じている。たまには開ける蝶もいるのに特に頑固である。飛び立つ瞬間に1枚だけ拡げた羽を撮れた。<撮影日: 2020-7-22日、 撮影場所:青梅市特別緑地保護区>   <2020-7-22記>


軽井沢野鳥の森  Karuizawa Bird Forest  全国的に緊急事態宣言が撤回されたので来てみた。国設であり、日本野鳥の会の創始者・中西悟堂の胸像や詩が飾られている、いわばバードウォッチャーの聖地である。近年はあまり話題にならないのであまり鳥影は濃くないのだろう。でもそれにしても酷かった。3時間余り歩き回って、やっと撮れたのはヒヨドリ一羽だけだった。   <2020-5-28>

ホウジャク撮影  A photograph of Humming-bird Moth  何年かぶりで訪れたここは、かつてベニマシコやマヒワがでたところだが、近年はさっぱりだそうである。出遇ったヤマガラはまだ熟していないエゴの実の果肉を剥いで実を食べていた。 一方、小さな花を付けた草の群落があり、数匹のホウジャクが花の蜜を吸いながらせわしなく飛び回っていた。換算840mmのレンズではファインダーに入れるのに苦労したが、ピントが合った何枚かの画像は素晴らしいものであった。    <2019-10-10記>

 ・撮影日: 2019-10-10日、 撮影場所:都立小峰公園。
 ・機材: M.Zuiko 340/1.4X/E-M1X (840mm相当)。
 ・画像: 面積1/6に削減。

昆虫愛好家減少  Decrease in insects lovers
 本日、いつものように四大新聞を図書館で見ていたら、昆虫愛好家減少の記事を見つけた。記事の中に日本鱗翅学会員の年齢構成をのせ、高齢化が進んでいる現象を見事に示していた(下図)。常々、子供達が昆虫を取るシーンが極端に減っているのを感じていたので、記事の内容に大いに賛同した。子供達が虫取りを始めるきっかけはほとんど大人が作るのだろうから。

 私の経験や伝聞から推測すると、母親が大の虫嫌いだと子供はほとんど虫嫌いになるようだ。さる母親は台所にでたゴキブリを素手でたたき殺したらしい。その娘は、ゴキブリが現れ男子社員も逃げるような事務員職場で、女一人新聞紙を丸めてゴキブリをたたいたという。かつて堤中納言物語に「虫愛づる姫君」が語られているが親はどうだったのだろうか。親が虫嫌いならこれはまれな例外だろう。

 日本人はスズムシやコオロギ、キリギリスなどの美しい鳴き声を心地よいと感じるが、欧米人は必ずしもそうではないらしい。何かのマスメディアでこのように言うのを聴いた時納得した。文化の違いという言い方は的を射ていないだろう。文化は創り教え込むものであり、赤子がその文化を背負って生まれてくるわけではない。子供達に社会が「この鳴き声は爽やかで美しい」とすり込むに違いない。

 「昆虫採集はむやみに虫の命を奪うことだ」と言うような論調があるが、虫に関心を向けないことはむしろ命の尊さを身近に感じることができないことに繋がる。子供がカブトムシをまるで電池が入った小さなおもちゃと認識している事例に接して驚愕した。動かなくなったカブトムシを電池が切れたとポイと捨てたのである。かなり昔だが、飼っていた昆虫が死ぬと庭に小さなお墓を作った子の様子を幾度か聴いた気がする。 <2019-7-14記>


  ■日本鱗翅学会員の年齢構成  (2019-7-14 朝日新聞朝刊記載のグラフを再構築)


ホタル/高知市  Fireflies in Kochi City, Kochi Pref.
 ホタルの撮影を第一目的にドライブ旅行するため、友人T.T氏と氏の古くからの友人M.H氏を高知に尋ねた。M.H氏はホタルの保護活動と啓蒙のために東京の自宅を離れ、もう10年以上高知県で一人暮らしをされている。現在は借家を春野・ホタル館に改造し、小さいながらも充実したホタル学習館を開いている。
 ゲンジホタルを見にでかけた夜は月が煌々と照っていて、5秒程度しか露光できなかったし、ホタルまでの距離が近すぎて、焦点の合った満足な写真は撮れなかった。なんとか得られた6枚の合成写真を下に載せた。 <2019-6-15記>

■飛び交うゲンジホタル (Olympus E-M1U+M.Zuiko 28mm/F1.2)  2019-6-12

氷針   Ice needles  八王子市
 友人T.T氏に連れられて氷の造形を見に行った。氷点下の寒い日が三日以上続くと現れるとのこと。現場は東京八王子市の山裾で、小さな釣り堀から流れ出ている水の周辺にできる。直接しぶきがかかる部分は凸凹の氷が石や木の枝を覆うが、しぶきがかからない1〜2m離れた周辺の葉には下の写真に示した無数の氷の針が付着する。葉の縁や、細かな産毛と思われるところに針状の氷の結晶が生長する。

 このような針状の結晶ができるメカニズムは多分以下のようなものであろう。
@水がしたたり落ちて地面に飛び散ることによって、水分を多く含んだ空気が醸成される。
A水分が過飽和あるいはそれに近い状態で気温が下がると、空気中の水分は成長しやすい核を見つけて氷の結晶が生長する。

 針状の結晶は葉の縁や産毛から成長し、成長した針はほとんど同じ太さや長さであるので、おそらくこのようなメカニズムが働いているのではないかと推測する。氷がプリズムになって虹色の光が見られることを期待したが、太陽が順光の位置しか足場が取れずそれは断念した。



立山の蝶  Butterflies in Midagahara, Tateyama  弥陀ヶ原/立山
 立山・室堂平に行く途中でバスを降り、1時間半ばかり標高1600mから2000mの弥陀ヶ原を散策した。処々に池塘は残っているが、全面の9割以上は笹に覆われており、お花畑とは名ばかりであった。その花の密度は、先日ヒメボタル撮影帰りに訪問した八幡平の1/10以下だった。また、お花だけでなく蝶も少なかった。下記の3種と、アサギマダラ、キアゲハ、スジグロシロチョウ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリを見ただけだった。


  <左上から時計回りに、ヒョウモンチョウx2、ミヤマモンキチョウ、ヒメキマダラヒカゲ>

ヒメボタル(Luciola parvula)  折爪岳/岩手県二戸市
 友人T.T氏に誘われて岩手県北部の折爪岳にヒメボタルを撮りに行った。100万匹の饗宴という謳い文句につられて、片道約650kmの道程を北へとクルマを飛ばした。昼食、休憩いれて約9時間かかった。
 ヒメボタルの撮影時間は夜7時半から9時と教えられ、昼間は北へ行って探鳥したり、八幡平で高山植物を撮影した。11日、12日、13日と三日間粘って、ようやく撮影のこつがつかめてきた。ただ、常連さんによると、残念ながら今年は個体数が少ないとのことだった。
 7時半ごろはまだ多少空が明るく、F1.4/ISO800/10秒程度の露光で撮れた。9時頃には、F1.4/ISO6400/60秒でも暗かった。 下の写真は上から、合成無し/2枚合成/4枚合成である。数十枚以上合成する写真家もいるが、現実の見え方と全く乖離するので個人的には潔しとしない

 <足下で光っていたヒメボタル>
 <木の幹に付いていた餌となる巻き貝>
 ヒメボタルは体長約9mmと小さい、一方、ゲンジボタル(約15mm)はずっと大きく、光も強い。ヘイケボタル(約10mm)はヒメボタル同等。  樹液が出ている半ば病んだ木に付いている長さ2cmほどの小さな巻き貝。ゲンジやヘイケがカワニナを喰うのと同様の食性。



 <2018-7-13撮影、カメラ:Fuji35mm/1.4+X-H1、上:合成無し/ISO1600/60秒、下:2枚合成/ISO3200/80秒>

ゼフィルス(ミドリシジミ類) Zephyrus さいたま市・狭山市
 T.T氏と彼の友人に誘われて、ミドリシジミ(Zephyrus:ギリシャ語で「そよ風」の意)を撮りに二ケ所を廻った。最初のさいたま市では広い公園の一角に10人ほどのカメラマンがミドリシジミを狙っていた。2時間ばかり粘ったが、なかなか都合良くは羽根を開いてはくれなかった。
 そこから狭山市に移動した。ここではアカシジミとウラナミアカシジミがお目当てであるが、運良く共に出てくれた。しかし、とうとう羽根を開いて止まってはくれなかった。ここで、裏の白っぽいゼフィルスを撮ったが、その場では種の同定ができなかった。かえって図鑑を調べた結果ヒロオビミドリシジミと分かった。図鑑で種の同定をするのは、それこそ50年ぶりぐらいだ。
 今日初めて<Fujifilm X-H1 + XF55-200mm>を 使った。かなり使いよいが、ちょこまか動く蝶にはやはり表示タイムラグのない一眼レフの方が使いやすいと思った。

   <左上から時計回りに、ミドリシジミ:3枚、ヒロオビミドリシジミ、ウラナミアカシジミ、アカシジミ>
   <2018-6-4撮影、カメラ:Fujinon55-200/X-H1(300mm相当) >
ウスバシロチョウ Glacial Apollo Parnassius glacialis
 友人T.T氏に誘われて、ウスバシロチョウを見に氏の定点観測場所に連れて行ってもらった。今年のギフチョウにはうまく遇えなかったこともあり、期待していった。かなりの頭数が乱舞しており、3時間ほど楽しく撮影できた(左上の写真は5枚の合成 [0.1秒間隔])。英名Glacial Apollo(氷のアポロン)とは優雅な響きである。


     <2018-4-30記>

皆既月食(スーパー・ブルー・ブラッドムーン)  Super blue-blood moon
 今回2018年1月31日の皆既月食は大変条件の良い観察ができる。皆既食が1時間17分も続く。当日、曇り空が懸念されたが、快晴でよい画像が撮れた。ただ、皆既食の画像は極端に解像度が落ちた、どうしてであろうか。ライブビューで焦点を合わせようとしたのだが暗くて合焦点がわからず、側にある星に合わせた。したがって、焦点が目立つほど外れている事は無いであろう。
  (撮影機材:Nik 540FL/1.4X/D500〔35mm換算:1050mm〕、約2/3にトリミング。35mm換算で約1500mm)

     部分食・開始 → 皆既食・開始 → 皆既食・最大 → 皆既食・終了 → 部分食・終了
      20:48      21:51     22:30       23:8       0:11


  <2018-2-3記>

ギフチョウ  Japanese Luehdorfia  Luehdorfia japonica
 キツツキはいくつかの趣味を持っていたが、中学、高校、大学、そして20代後半までもっとも入れあげたのはチョウの蒐集だった。その中でギフチョウはたった一頭しか採っていないので心残りだった。今年、蝶の生態に詳しい友人T.T氏がギフチョウで有名な場所を教えてくれたので、ここ相模原市の山中に来てみた。

 ここのギフチョウは一旦絶滅したのだが、愛好家が各地から移入した結果、かなり個体数が回復したとのこと。しかし、様々な地域の特徴をもつ個体が交雑し、学術的な価値はないと聞かされた。急に暖かくなったこのニ、三日は最盛期と思われ、20人ほどのカメラマンがいた。ギフチョウは10時から13時の間、十数回出てくれたが、花の上に静止することはまれで、なかなか良い画像が撮れなかった。


  <2017-4-15記>


ホソオチョウ  Dragon Swallowtail  Sericinus japonica
 友人T.T氏の定点観察テリトリー・狭山市に本種が大量発生しているとのことで、氏に連れて行ってもらった。午前11時ごろ着いたところ、フワフワと2、30匹のホソオチョウが舞っていた。メスは見つからなかった。また、中に2匹だけジャコウアゲハがいて、本種に追われていた。両種ともウマノスズクサを食草とし競合する。したがって、本種がはびこるとジャコウアゲハが減少することが想定される。

ホソオチョウ(Wikipediaの記述)
 原産地は東アジア一帯で、ロシア沿海州、中国、朝鮮半島。もともと日本には生息していなかったが、1970年代以降日本各地で局地的に発生が確認されている外来種である。
 最初に確認されたのは、1978年の東京都で、数年のうちに中央本線沿いに山梨県にまで局地的に分布を広げた。1990年代になると、京都府、岐阜県、栃木県、宮城県、福岡県など地理的に離れた地域に生息が確認されている。本種は飛翔能力が低いため、現在までに生息が確認されたことのある地域は、違法な放蝶といった人為的手段で分布を広げたものと考えられている。この経緯からもわかるように日本では外来種であり、外来生物法によって要注意外来生物に指定されている。また、植物防疫法でも輸入が禁止されている


  <2016-8-12記>


青梅の丘陵・クヌギに集まる昆虫 Gathered insects on an oak tree in Ohme City, Tokyo
 友人T.T氏の定点観察テリトリーに連れて行ってもらった。そこに生えている大きなクヌギの木に、たくさんの蝶や甲虫が集まっていた。特にオオムラサキやアオカナブンがたくさん見られて感激した(10代半ばから20代後半まで蝶蒐集を第一の趣味としていた私には、なつかしい思い出がよみがえってくる瞬間である)。
 クヌギの樹皮には目立つ傷などないのだが、割れ目のように見える樹皮のへこみから多くの樹液が出ていた。そこで知ったのだが、樹が病むと樹液を多く出すのだそうである。ということはこの樹はもう永くないのかもしれない。当日T.T氏が、何年か前にオオムラサキをたくさん集めていたクヌギを探したら、もう朽ちていた。

 ここで撮影したのは、オオムラサキ、アカタテハ、アカボシゴマダラ、スミナガシ、アオスジアゲハ、ルリタテハ、ヒメウラナミジャノメ、アオカナブン、クロカナブン、カナブン、オオスズメバチ、セアカオオアリなどであった。撮影できなかったのは、モンキアゲハ、カラスアゲハなどである。激しく飛んでいるアオスジアゲハをこれだけ撮れたのはD500の優れたAF能力だと感心する。なお、アカボシゴマダラは要注意外来生物である。


 <2016-8-1記>


ホタル/あきる野市  Fireflies in Akiruno City, Tokyo
 我が家の近くにホタルが結構たくさん出ると噂される谷戸がある。今まで訪れていなかったが、なんのキッカケか出かけてみることにした(6月18日)。撮影には苦労した。ホタル撮影条件の一応の知識はあったが、まともに撮れなかった。ほとんど満月に近い月が煌々と森を照らしており、ホタルの淡い光に対して背景が明るすぎることが原因だった。
 その日は帰宅し、ネットで「ホタルの撮り方」を探した。なるべくISOを上げるのがホタルの軌跡を明るく撮るコツだそうだ。その条件を試そうと、梅雨の合間の曇った蒸し暑い翌々日に出かけた。ISOを1600まで上げると、背景が明るく映るのを抑えるための露光時間はせいぜい15秒だった。ISO1600ではこれ以上長くすると背景が明るすぎてホタルの軌跡が埋没する。下の写真は続けて撮った3枚の写真の合成である。実質的に45秒露光したことに相当する。
 なお、「ホタルの撮り方」で勧めているように、暗い中ではほとんど焦点合わせはできないので、明るい時にレンズの焦点をほぼ無限遠に合わせておき、パーマセルテープで焦点調整リングを固定する。こうして短焦点レンズの深い被写界深度を利用する。

■飛び交うホタル (D500/Nikkor 28mm/F4/ISO1600/15sx3回)  2016-6-20

 <2016-6-23記>

ケニア・ツァボ国立公園のライオン  Lions at Tsavo National Park in Kenya  2016年6月12日、NHKの番組「ダーウィンが来た!」で興味深い録画が放送された。昨年訪れたケニアでは行かなかったが、ナイロビの南東に位置するツァボ国立公園のライオンの生態である。
 公園はケニアの南東部の低地にあるため、酷暑で極度に乾燥している。そのため獲物の草食動物が少なく、過酷な自然環境がライオンに他の場所と違った独自の生態を生み出しているとの放送だった。表にまとめると、

項目
ツァボ国立公園のライオン
その他の多数派のライオン
自然環境 酷暑、極度の乾燥、乾季には草原なし 草原
熱さ対策 木陰で休むが、時に土を掘って25℃程度の地面に腹をつける 木陰で休む
オスのたてがみ 熱さを防ぐためほとんどたてがみがない 立派な たてがみを持つ
若いオスの立場 群れから追い出されるが、集団の狩の時期には群に参加する 群れから追い出される/ボスを追い出し自分がその立場に座る以外群れに加われない
狩りにおける
オスとメスの
役割
メスもオスも個々に餌を獲り、他に分け与えず自分だけで喰う(餌の獲れない幼い個体はどうするのか説明はなかった) 群れのメスが共同して狩る/オスは参加しない/オスはメスの獲った獲物を真っ先に喰う/残りをメスや子供たちで分け合う
雨季の狩の形態 乾燥した赤土が草原に変わり、バッファローなどの大型動物が訪れると、集団で狩りをする。その時、追い出された若いオス達も集まって共同で狩りをする 同上/ オスが狩りに参加することはほとんどなく、まして若いオスが加わることはない

 同じ種なのに、自然環境がこれだけ生態の変化に影響を及ぼすとは目から鱗だった。他の動物、あるいは植物までに考えを及ぼすと多くの生態の理解につながるのかもしれない。ガラパゴスのフィンチ、イグアナなどの多様化も同じような現象なのだろうかとも思ったが、ガラパゴスの場合は異なる種まで偏移が起きている。ところで人間は?
 <2016-6-13記>

ムササビ/高取城趾/奈良県  Japanese giant flying squirrel at Takatori castle ruin  日本三大山城の一つであるが惜しむらくはもう城はない。天守閣のあった辺りに高い杉の木があり、上の方のほこらに何かいるような気がして撮ってみた。家に帰って伸ばしたら、何かいる。顔から判断すると多分ムササビだろう。モモンガはムササビよりずっと小さくて目が相対的に大きく、よりかわいい印象をうける。


 <2011-5-7記>


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