2013-11-30〜12-5 |
詳細な日誌 |
主要更新 ◆'13-12-6:本欄新設 |
2009年11月以来、毎月必ず1種類は初見鳥を撮影してきたのだが、とうとう11月には当てがなくなった。そこでなるべく近くて安価な外国へ行こうと探した結果、サイパンに決めた。グアムは偶然移入されたヘビ(Brown Tree Snake)が10種類以上いたグアム固有種の大半を絶滅させたことをかつて何かで読んだことがあるので行くつもりはない。
ネットで検索すると、サイパンから小さなプロペラ機で30分のところにあるロタ島が良いという。北東部のバードサンクチュアリに海鳥のコロニーがあり、ネッタイチョウ、カツオドリ、グンカンドリが見られるという。そこでサイパン1泊→ロタ3泊→サイパン1泊の計画を立てた。
初日夕方サイパンに着くとすぐ、ホテルから800m先のアメリカ記念公園まで探鳥した。たった1時間半の往復であったけれど、7種もの初見鳥の撮影ができて大満足である。一羽のネッタイチョウを撮ったが、この時点でアカオかシラオか識別できなかった。探鳥の結果は良かったのだが、さすがに30℃を超えた気温で酷い湿気にはまいった。
その後しばしば経験したが、エアコンを利かせた車内にカメラを置いておくと、いざ外に出て撮影しようとするとレンズが曇って10分以上使い物にならない。それほど湿気が高い。半袖で過ごしているが、腕は常に濡れたように汗をかいている。レンズの曇り対策としては、エアコンの利きを最小にし、なるべく窓を開けて走行した。
二日目夕方、小さなプロペラ機で30分、ロタに着いた。レンタカーを借りホテルに直行した。早速ホテルの周辺を歩いて回ったが、異常にBlack Drongo(オウチュウ)が多いのに気付いた。後で調べると、日本の統治時代に持ち込まれたオウチュウがはびこり、ロタの固有種を追いやっているそうである。そのせいもあり固有種のクバリガラス(Mariana Crow、マリアナガラスとも呼ぶ)、 ロタメジロ(Rota White-eye)は絶滅に瀕している。ともにCritically Endangeredとクラス分けされている。
ロタ島は山手線の内側よりわずかに広い面積約85平方キロであり、ここに約3200人が住んでいる。南北に約17km、東西に約5kmの大きさなので歩いての探鳥は無理で、レンタカーを借りた。車を流していると、Black Drongoが5分と視界から消えることがない。この小さな島全体で優に数千羽以上いるのではないかと思わせる出現頻度である。
小さなロタ島で、互いに縄張りを分け合って細々と生きながらえてきた固有種が、様々な外圧により消え去るのは時間の問題かもしれない。現にグアムでは外来のヘビによってかなりの固有種が絶滅した。グアムクイナ(Guam Rail)も一旦野生種は絶滅したが、動物園などで飼われていた個体を集め、人口繁殖してロタ島に放鳥しているそうである。それでも野良猫の被害が大きく数は増えていないらしい。このグアムクイナには一瞬遭遇できた。ラッキーである。
(同種の個体が少なくなると近親交配が進み、遺伝的に種自体が弱くなる。そのクリティカルマスの値には諸説あるらしいが、500という数字を上げる学者も居る。それが真実だとしたら、関係者の必死の努力にもかかわらず日本と中国のトキの運命は本質的に厳しいと言わざるをえない。)
かなり気を入れて探したのだが、ロタ固有種のクバリーガラス、ロタメジロにはとうとう遇えなかった。観光地図にはそれらが棲んでいる地域を明示してあり、そこを重点的に探した。いっぽう、サガガガ岬のバードサンクチュアリでは大いに楽しめた。オオグンカンドリはとうとう見られなかったが、他の海鳥はしっかりと撮影できた。もう一ヶ月後だったら、アカアシカツオドリの雛が見られただろう。
そうそう、北部の草原を流していると、しばしばムナグロに遇った。
日本では干潟に居る姿しか見ていないので、最初は「すわ初見鳥!」と喜んだが、しかとみればムナグロである。周囲の環境が慣れ親しんだ景色と異なると一瞬違って見える。日本の干潟と違ってここではかなりの距離まで近づくことができた。
最終的には16種の初見鳥が撮影できたので大満足である。とくに二種のネッタイチョウを撮り放題だったのは望外の成果だった。これで12月も初見鳥を撮影できたが、来年からは毎月のノルマは設定しないこととした。趣味なのにそんなノルマで自分を縛るのはおかしいと軟弱な思いに囚われたからである。
<写真をクリックすると詳細ページへ移動 / Click to detailed contents!>
ネットで検索すると、サイパンから小さなプロペラ機で30分のところにあるロタ島が良いという。北東部のバードサンクチュアリに海鳥のコロニーがあり、ネッタイチョウ、カツオドリ、グンカンドリが見られるという。そこでサイパン1泊→ロタ3泊→サイパン1泊の計画を立てた。
初日夕方サイパンに着くとすぐ、ホテルから800m先のアメリカ記念公園まで探鳥した。たった1時間半の往復であったけれど、7種もの初見鳥の撮影ができて大満足である。一羽のネッタイチョウを撮ったが、この時点でアカオかシラオか識別できなかった。探鳥の結果は良かったのだが、さすがに30℃を超えた気温で酷い湿気にはまいった。
その後しばしば経験したが、エアコンを利かせた車内にカメラを置いておくと、いざ外に出て撮影しようとするとレンズが曇って10分以上使い物にならない。それほど湿気が高い。半袖で過ごしているが、腕は常に濡れたように汗をかいている。レンズの曇り対策としては、エアコンの利きを最小にし、なるべく窓を開けて走行した。
二日目夕方、小さなプロペラ機で30分、ロタに着いた。レンタカーを借りホテルに直行した。早速ホテルの周辺を歩いて回ったが、異常にBlack Drongo(オウチュウ)が多いのに気付いた。後で調べると、日本の統治時代に持ち込まれたオウチュウがはびこり、ロタの固有種を追いやっているそうである。そのせいもあり固有種のクバリガラス(Mariana Crow、マリアナガラスとも呼ぶ)、 ロタメジロ(Rota White-eye)は絶滅に瀕している。ともにCritically Endangeredとクラス分けされている。
ロタ島は山手線の内側よりわずかに広い面積約85平方キロであり、ここに約3200人が住んでいる。南北に約17km、東西に約5kmの大きさなので歩いての探鳥は無理で、レンタカーを借りた。車を流していると、Black Drongoが5分と視界から消えることがない。この小さな島全体で優に数千羽以上いるのではないかと思わせる出現頻度である。
小さなロタ島で、互いに縄張りを分け合って細々と生きながらえてきた固有種が、様々な外圧により消え去るのは時間の問題かもしれない。現にグアムでは外来のヘビによってかなりの固有種が絶滅した。グアムクイナ(Guam Rail)も一旦野生種は絶滅したが、動物園などで飼われていた個体を集め、人口繁殖してロタ島に放鳥しているそうである。それでも野良猫の被害が大きく数は増えていないらしい。このグアムクイナには一瞬遭遇できた。ラッキーである。
(同種の個体が少なくなると近親交配が進み、遺伝的に種自体が弱くなる。そのクリティカルマスの値には諸説あるらしいが、500という数字を上げる学者も居る。それが真実だとしたら、関係者の必死の努力にもかかわらず日本と中国のトキの運命は本質的に厳しいと言わざるをえない。)
かなり気を入れて探したのだが、ロタ固有種のクバリーガラス、ロタメジロにはとうとう遇えなかった。観光地図にはそれらが棲んでいる地域を明示してあり、そこを重点的に探した。いっぽう、サガガガ岬のバードサンクチュアリでは大いに楽しめた。オオグンカンドリはとうとう見られなかったが、他の海鳥はしっかりと撮影できた。もう一ヶ月後だったら、アカアシカツオドリの雛が見られただろう。
そうそう、北部の草原を流していると、しばしばムナグロに遇った。
日本では干潟に居る姿しか見ていないので、最初は「すわ初見鳥!」と喜んだが、しかとみればムナグロである。周囲の環境が慣れ親しんだ景色と異なると一瞬違って見える。日本の干潟と違ってここではかなりの距離まで近づくことができた。
最終的には16種の初見鳥が撮影できたので大満足である。とくに二種のネッタイチョウを撮り放題だったのは望外の成果だった。これで12月も初見鳥を撮影できたが、来年からは毎月のノルマは設定しないこととした。趣味なのにそんなノルマで自分を縛るのはおかしいと軟弱な思いに囚われたからである。
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