第3回:2019-5-13
第2回:2019-5-4,5 第1回:2014-6-8〜11 |
■撮影野鳥リスト (・・・・は初見)
> オオミズナギドリ > ハシボソミズナギドリ > カラスバト > アマツバメ > ホトトギス > オオメダイチドリ > ミヤケコゲラ[亜種] > ハシブトガラス > イイジマムシクイ > ウグイス > シチトウメジロ[亜種] > ウチヤマセンニュウ > アカコッコ > イソヒヨドリ > タネコマドリ[亜種] > ホオジロ > オーストンヤマガラ |
主要更新 ◆'20-1-5:オーストンヤマガラを独立種に格上げ。 ◆'14-6-2:本欄新設 |
第3回:2019-5-13
三宅島往復と三本岳クルーズ二回、八丈島往復でカンムリウミツバメは見られなかった。ただ、それぞれ別人だが幸運のバーダーは、これらの全航路で見ている。最後のトライのつもりで三宅島を日帰り往復した。朝5時に着いたので、5時半から11時半まで大路池でモスケミソサザイを狙ったが見られなかった。池では10人程度のバーダーとすれ違ったが誰も見ていないという。アカコッコ、イイジマムシクイ、タネコマドリにくらべると相対的に大分少ないようだ。
帰りの航路は午後1時半から5時まで立通しで海面を探した。私の他に初めての遠征という女性バーダーが二人いただけなので、探す目は貧弱である。結局見られず、来年の宮崎県門川町枇榔(びろう) 島へのクルーズに賭けることにした。種を特定してそれを狙うのは、現在までミゾゴイとカンムリウミスズメの二種だけである。
一方、海洋での探鳥は被写体が遠いこともあり、良質の画像を撮ることが難しい。海鳥の識別にはいつも迷う。特にミズギナギドリ類は互いに酷似しているのでさらに難儀である。
第2回: 2019-5-4,5
2019年3月21日に出かけた八丈島航路では、念願のカンムリウミツバメは見られなかった。フェリーの船体が大きいため、海鳥は近くには寄ってこない。撮れたとしても遠方の撮影なので、期待する画質は望めないことがほとんどである。いっぽう、三宅島沖合の岩礁、大野原島(通称:三本岳)でカンムリウミスズメが繁殖していることは知られている。ダメ元と探鳥船が出ていないか三宅島観光協会に尋ねてみた。
すると漁船による三回のクルーズが計画されていて、後半の二回はすでに定員10名が満杯だとか。一回目は4月20日である。22日から平島に行くので、間一日の余裕しかない。二、三日迷ったが来年行かれる当てもないので申し込んだ。しかし、出発の当日、「風強くて欠航」との連絡有り。次の機会を待つことにした。
そして5月4日、三宅島に上陸した。朝の5時に港に着き、1時間半ほど大路池によった後、錆ヶ浜港に着いた。出港する時、三本岳岩礁の方は厚い雲に覆われ時々落雷もある。小一時間ほどで岩礁についたがカンムリウミスズメはチラッとも姿を現さない。時折激しい雷雨に悩まされながら3時間の探索を終えた。成果なし。案内人に訊くとカンムリウミスズメが見られる確立は8、9割という。今日は運悪く見られない1、2割に当たったようだ。幸い宿が取れたので明日再挑戦する。
翌日5月5日、薄曇りから晴れになり、波も小さく絶好の観察日和であるが、こんな時むしろ海鳥は少ないと言われる。 予想は当たってカンムリウミスズメはおろか、オオナギさえ昨日の数分の一以下だった。 昨日とは別のガイドによると今年船を出した数回のうち、カンムリが出たのはたった2回程度とのこと。成功率は50%以下である。昨日の案内人の情報は過去の良いときのものだろうが、直近の情報が知りたいものである。
訪れた三本岳には十数人の釣り人が上がっていた。釣り人の残す食料などを目当てに10数キロの距離をカラスが飛んでくるらしい。またウミネコが十羽以上羽根を休めていた。これらは共にカンムリウミスズメの雛を補食する可能性が高い。もうここ三本岳はカンムリウミスズメにとって安住の繁殖地ではなくなったのかもしれない。専門家の意見を聞きたいところだ。
第1回: 2014-6-8〜11
2000年の噴火時、数年にわたって島民が避難したが、私のような初めての訪問者がその面影を伺い知ることはできない穏やかな佇まいである。一周約30kmのほぼ丸い島なので、泊まった民宿のレンタカーを借りて回った。探鳥ポイントがいくつかあり、そこを渡り歩く探鳥である。レンタカーはマニュアルシフトのかなりやれた軽だったが、30分もしたら慣れた。
現地に行って始めて知ったのだが、三宅島は野鳥の密度が高くバードアイランドと呼ばれている。車で走っていても、あるいは歩いていても常に目の前を野鳥がよぎる。ホトトギスの甲高い鳴き声は間断なく聞こえてくる。余りにホトトギスが多いので、托卵されるのを嫌って三宅島のウグイスは日本で最も早くホトトギスが渡ってくる前の一、二月には繁殖を始めると聴いた。
訪れた目的は、固有四種(アカコッコ、カラスバト、ウチヤマセンニュウ、イイジマムシクイ)を撮ることであったが、行ってから固有亜種五種(タネコマドリ、シチトウメジロ、オーストンヤマガラ、ミヤケコゲラ、モスケミソサザイ)も加えた。結果としてモスケミソサザイ以外の八種を全て撮ることができたのでとても幸運だった。
ただ、小さな離島のせいか、野鳥の種類はかなり少ない。今まで観察された野鳥の種類は約260種とのことである(日本全体では550種を超える)。したがって、特定の種に偏る傾向がみられる。アカコッコなどは競合するツグミ類がいないので、きれいな声でアッピールすることはなく、「グギギギギ」というようなだみ声である。ツグミ類にはクロツグミを筆頭に美しいさえずりの仲間が多いのに。
本土では普通に見られるセキレイ系が見られないし、スズメさえ三日半の間に三個体を見ただけである。ツバメは一回のみ。ただしヒヨドリは異常に多い。多分私が最も多く遭遇した種である。これも競合する種が少ないせいだと思われる。
私が姿を見たり鳴き声を聴いたりして感じた野鳥の多い順は以下の通り。あくまで個人が経験した感覚的な比較である。→ヒヨドリ>ホトトギス>メジロ>ウグイス>カワラヒワ>ホオジロ>イソヒヨドリ>アカコッコ>イイジマムシクイ>キジバト>ハシブトガラス>カラスバト>ウチヤマセンニュウ>オーストンヤマガラ>タネコマドリ>スズメ>モズ>ツバメ。
渡りの時期、日本海側の離島には多くの希少種が立ち寄るが、三宅島にもこのところヤイロチョウ、ミゾゴイ、アカショウビン、サンコウチョウが一時立ち寄ったそうである。地元のバーダーは少ないのでミゾゴイをミゾゴイと認識するまでに時間がかかり、本土からバーダーが殺到はしなかったと聴いた。このような状況が毎年続くなら、三宅島は大きな穴場になると思う。
<写真をクリックすると詳細ページへ移動 / Click to detailed contents!>
三宅島往復と三本岳クルーズ二回、八丈島往復でカンムリウミツバメは見られなかった。ただ、それぞれ別人だが幸運のバーダーは、これらの全航路で見ている。最後のトライのつもりで三宅島を日帰り往復した。朝5時に着いたので、5時半から11時半まで大路池でモスケミソサザイを狙ったが見られなかった。池では10人程度のバーダーとすれ違ったが誰も見ていないという。アカコッコ、イイジマムシクイ、タネコマドリにくらべると相対的に大分少ないようだ。
帰りの航路は午後1時半から5時まで立通しで海面を探した。私の他に初めての遠征という女性バーダーが二人いただけなので、探す目は貧弱である。結局見られず、来年の宮崎県門川町枇榔(びろう) 島へのクルーズに賭けることにした。種を特定してそれを狙うのは、現在までミゾゴイとカンムリウミスズメの二種だけである。
一方、海洋での探鳥は被写体が遠いこともあり、良質の画像を撮ることが難しい。海鳥の識別にはいつも迷う。特にミズギナギドリ類は互いに酷似しているのでさらに難儀である。
<大路池脇の立て看板を撮影> |
第2回: 2019-5-4,5
2019年3月21日に出かけた八丈島航路では、念願のカンムリウミツバメは見られなかった。フェリーの船体が大きいため、海鳥は近くには寄ってこない。撮れたとしても遠方の撮影なので、期待する画質は望めないことがほとんどである。いっぽう、三宅島沖合の岩礁、大野原島(通称:三本岳)でカンムリウミスズメが繁殖していることは知られている。ダメ元と探鳥船が出ていないか三宅島観光協会に尋ねてみた。
すると漁船による三回のクルーズが計画されていて、後半の二回はすでに定員10名が満杯だとか。一回目は4月20日である。22日から平島に行くので、間一日の余裕しかない。二、三日迷ったが来年行かれる当てもないので申し込んだ。しかし、出発の当日、「風強くて欠航」との連絡有り。次の機会を待つことにした。
<三宅島沖合十数kmに浮かぶ大野原島(通称:三本岳)>
そして5月4日、三宅島に上陸した。朝の5時に港に着き、1時間半ほど大路池によった後、錆ヶ浜港に着いた。出港する時、三本岳岩礁の方は厚い雲に覆われ時々落雷もある。小一時間ほどで岩礁についたがカンムリウミスズメはチラッとも姿を現さない。時折激しい雷雨に悩まされながら3時間の探索を終えた。成果なし。案内人に訊くとカンムリウミスズメが見られる確立は8、9割という。今日は運悪く見られない1、2割に当たったようだ。幸い宿が取れたので明日再挑戦する。
翌日5月5日、薄曇りから晴れになり、波も小さく絶好の観察日和であるが、こんな時むしろ海鳥は少ないと言われる。 予想は当たってカンムリウミスズメはおろか、オオナギさえ昨日の数分の一以下だった。 昨日とは別のガイドによると今年船を出した数回のうち、カンムリが出たのはたった2回程度とのこと。成功率は50%以下である。昨日の案内人の情報は過去の良いときのものだろうが、直近の情報が知りたいものである。
訪れた三本岳には十数人の釣り人が上がっていた。釣り人の残す食料などを目当てに10数キロの距離をカラスが飛んでくるらしい。またウミネコが十羽以上羽根を休めていた。これらは共にカンムリウミスズメの雛を補食する可能性が高い。もうここ三本岳はカンムリウミスズメにとって安住の繁殖地ではなくなったのかもしれない。専門家の意見を聞きたいところだ。
釣りをする人たち |
羽を休めるウミネコ |
第1回: 2014-6-8〜11
2000年の噴火時、数年にわたって島民が避難したが、私のような初めての訪問者がその面影を伺い知ることはできない穏やかな佇まいである。一周約30kmのほぼ丸い島なので、泊まった民宿のレンタカーを借りて回った。探鳥ポイントがいくつかあり、そこを渡り歩く探鳥である。レンタカーはマニュアルシフトのかなりやれた軽だったが、30分もしたら慣れた。
現地に行って始めて知ったのだが、三宅島は野鳥の密度が高くバードアイランドと呼ばれている。車で走っていても、あるいは歩いていても常に目の前を野鳥がよぎる。ホトトギスの甲高い鳴き声は間断なく聞こえてくる。余りにホトトギスが多いので、托卵されるのを嫌って三宅島のウグイスは日本で最も早くホトトギスが渡ってくる前の一、二月には繁殖を始めると聴いた。
訪れた目的は、固有四種(アカコッコ、カラスバト、ウチヤマセンニュウ、イイジマムシクイ)を撮ることであったが、行ってから固有亜種五種(タネコマドリ、シチトウメジロ、オーストンヤマガラ、ミヤケコゲラ、モスケミソサザイ)も加えた。結果としてモスケミソサザイ以外の八種を全て撮ることができたのでとても幸運だった。
ただ、小さな離島のせいか、野鳥の種類はかなり少ない。今まで観察された野鳥の種類は約260種とのことである(日本全体では550種を超える)。したがって、特定の種に偏る傾向がみられる。アカコッコなどは競合するツグミ類がいないので、きれいな声でアッピールすることはなく、「グギギギギ」というようなだみ声である。ツグミ類にはクロツグミを筆頭に美しいさえずりの仲間が多いのに。
本土では普通に見られるセキレイ系が見られないし、スズメさえ三日半の間に三個体を見ただけである。ツバメは一回のみ。ただしヒヨドリは異常に多い。多分私が最も多く遭遇した種である。これも競合する種が少ないせいだと思われる。
私が姿を見たり鳴き声を聴いたりして感じた野鳥の多い順は以下の通り。あくまで個人が経験した感覚的な比較である。→ヒヨドリ>ホトトギス>メジロ>ウグイス>カワラヒワ>ホオジロ>イソヒヨドリ>アカコッコ>イイジマムシクイ>キジバト>ハシブトガラス>カラスバト>ウチヤマセンニュウ>オーストンヤマガラ>タネコマドリ>スズメ>モズ>ツバメ。
渡りの時期、日本海側の離島には多くの希少種が立ち寄るが、三宅島にもこのところヤイロチョウ、ミゾゴイ、アカショウビン、サンコウチョウが一時立ち寄ったそうである。地元のバーダーは少ないのでミゾゴイをミゾゴイと認識するまでに時間がかかり、本土からバーダーが殺到はしなかったと聴いた。このような状況が毎年続くなら、三宅島は大きな穴場になると思う。
<写真をクリックすると詳細ページへ移動 / Click to detailed contents!>