左がカウラー王、右がクフ王のピラミッド
■総 括
 3月に妻が急にエジプトへ行きたいと言い出し、即旅行会社のツアーを探した。直近のツアーが5月にあったので申し込んだ。懸念事項は真夏の砂漠の灼熱地獄であった。予想通り南部のアスワンやルクソールでは44℃を記録した。日にペットボトル2本分の水は飲み干すし、正午過ぎには2〜3時間の休憩をとることが多い。ただ極めて湿度が低いので、直射日光の下に長時間いなければ何とかなることを体感した。
 エジプトの古代遺跡の情報はメディアでは広く拡散されているからどこへ行っても見たような景色ではあるが、実物を目の当たりにすると強い感動を覚える。王家の墓に保存されている極彩色の壁画を前にすると絵師の描く姿を想像する。個人的な印象では巨大な坐像のアブシンベル神殿が1位、2位がギザのピラミッドというところである。

■探鳥成果
 団体観光旅行では観光客のあふれる地区を歩きまわるので、個人としてじっくり探鳥する機会は全く無い。それでも2ヶ月前に訪問したモロッコと似たような地形・気候であるので同じような鳥相を期待した。数種の初見鳥に出遇えるかもしれないと 淡い期待を抱いて、それなりの機材を持ち込んだが空振りだった。白黒のカラスを撮ったときには初見と思ったが、帰宅してから調べるとすでに2005年ウィーンでの学会出張時に撮っていた。この時はまだ野鳥撮影を趣味としていなかったのだが、日本にはない海外の動植物には関心があって行く先々で撮影していた。

 結果として出遇った鳥の種類は極少なく、圧倒的にイエスズメが多かった。街中だけでなく遺跡にもにイエガラス棲み着いている。名前の由来が理解できる。また、興味あることに南からシラコバト、カワラバト、ワライバトが棲み分けてしていた。中でも綺麗ななコキジバトが撮れたのうれしい。また古代史博物館の庭でヤツガシラが芝をつついているのに驚いた。

■旅 程
期日
訪 問 地
探 鳥 記
宿泊地
 行 程

5-13 <空路成田→ドーハ>   カイロまで正味約15時間 機中
5-14 ドーハ→カイロ■エジプト考古学博物館   博物館の庭にズキンガラスとヤツガシラ カイロ
5-15 <空路アスワンへ>■イシス神殿→■アブシンベル神殿・光と音のショー   巨大な光と音のショー(照明装置の設置を巡ってかつて大議論) アブシ
ンベル
5-16 ■アブシンベル神殿→■アスワンハイダム→■切欠けのオベリスク   アブシンベルの巨大さに感激、どこにでもイエスズメ <ナイ ルクル ーズ>

アカマ
ール号
船中泊
5-17 ■コムオンボ神殿→■エドフ・ホルス神殿   44℃での直射日光下、イエスズメ
5-18 ■王家の谷→■ハトシェプスト女王廟→■カルナック神殿→■ルクソール神殿   イエスズメとたまにハト
5-19 <空路カイロへ>■ギザの三大ピラミッド→■大エジプト博物館
  世界最大の博物館(日本も資金援助)、イエスズメ、ハト カイロ
5-20 ■モハメッド・アリ・モスク→■エジプト文明博物館<空路ドーハ→カイロ>   博物館では数千年の歴史を時代順にまとめて展示 機中
5-21 <空路ドーハ→成田>
   

■撮影機材 
  レンズ
ボディー
撮影用途
(1) Nikkor Z 28-400mm/F4-8 Z50U メインカメラ/野鳥撮影
(2) Nikkor Z 16-50mm/F3.5-6.3 Z30 スナップ/風景
(3) LEICA 4.3-129mm (24-720mm相当) Lumix TZ99 常時携帯

 団体観光旅行ゆえ、通常の野鳥撮影用のカメラシステムは重くかさ張るので、軽いシステムを組んだ。とくに28-400mmレンズはこのような用途に向いている。さらにZ50Uボディーのポテンシャルに期待したのだがZ8との性能差は想定以上に顕著で、特に飛んでいる鳥や激しく動いている鳥に対処することは難しかった。またほとんど全部の水鳥は船の寝室の二重ガラス窓を通して撮影したので、解像度劣化は無視できなかった。
 移動中ふいに出てきた野鳥に対処するため、35mm換算で24-720mmの範囲をカバーするコンパクトデジカメLumix TG99を新たに購入したのだが、こちらも動いている鳥には殆ど対処できなかった。ただ光の条件さえ良ければ小さい撮像センサーのわりにはよく写るので今後の使用には工夫したい。


■コウノトリ目
■ムラサキサギ Purple Heron  ナイル川中流

■ニシアマサギ Western Cattle Egret  ナイル川中流

■カンムリサギ Squacco Heron  ナイル川中流

■コサギ Little Egret  ナイル川中流

■ゴイサギ Black-crowned Night-heron  ナイル川中流


■カモ目

■メジロガモ 


■タカ目
■ニソオオノスリ Long-legged Buzzard  ナイル川中流    

■チョウゲンボウ Common Kestrel  アブシンベル神殿    


■ツル目
■バン Moorhen  ナイル川中流    


■チドリ目

■ハシブトアジサシ Gull-billed Tern  ナイル川中流  <超遠方かつ二重ガラス越しの撮影のため画質劣化増>

■ハト目
■コキジバト European Turtle Dove  イシス神殿     

■カワラバト Rock Pigeon  エドフ・ホルス神殿

■ドバト  Feral Pigeon  ハトシェプスト廟   

■ワライバト Laughing Dove  エジプト考古学博物館にて  


■ブッポウソウ目

■ヒメヤマセミ Pied Kingfisher  ナイル川中流

■ヤツガシラ Eurasian Hoopoe  エジプト考古学博物館の庭/すぐ傍を多くの入場者が通る。

■スズメ目

■ツバメ[エジプト型] Barn Swallow  アブシンベル神殿  [エジプト型は腹が赤茶色]


■アフリカチャイロツバメ Rock Martin  アブシンベル神殿


■ズキンガラス Hooded Crow  エジプト考古学博物館の庭


■イエスズメ House Sparrow イシス神殿



遺跡群   Ruins
イシス神殿




アブシンベル神殿




コムオンボ神殿   <出産の様子:見学者が触った跡>






エドフ・ホルス神殿  <ホルスはハヤブサやハヤブサの頭の人間の形をした王権の守護神>






王家の谷  ツタンカーメン、ラムセス三世などの墓










ハトシェプスト廟




メムノンの巨匠  アメンホテプ三世の像


カルナック神殿




ルクソール神殿






ギザのピラミッド  中央のカウラー王のピラミッドだけ頂上部に大理石の化粧板が残る。







ナイルの恵み   Nile's Favor

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