2016-5-6〜11 |
希少哺乳類 Rare mammals
> アマミノクロウサギ
> ケナガネズミ
自然風物 Scenery 詳細日誌 Diary |
■撮影した主な野鳥
(・・・・は初見鳥)
主要更新 ◆'20-1-5:リュウキュウサンショウクイを独立種に格上げ。 ◆'16-4-26:本欄新設 |
前々から奄美大島に多く生息しているルリカケスなどの固有種・固有亜種を撮りたいと思っていた。今月都合をつけて訪問した。LCC路線が開通したことも後押ししている。
奄美大島は南北約55kmの細長い島で、本州など四島を除くと沖縄本島、佐渡島の次に面積が大きい。約6万5千人が暮らす。年間の日照時間が日本で一番短いそうで、私が滞在した6日間、多かれ少なかれ毎日雨が降り、梅雨入りも近いと噂していた。空港に着陸するときも、霧のため1時間近く上空を旋回して視界が開けるのを待ちつづけた。少なくとも数回は同じ半島の岬を眼下に見下ろしたときはだんだんと不安になったほどである。
植物相はシイやマグローブが茂る亜熱帯雨林で、島の85%を原生林が占めている。動植物にも固有種・固有亜種が多く、東洋のガラパゴスと呼ぶ人もいる。日本では小笠原に次いで、ユネスコの自然遺産に登録される可能性が高い。
<赤字:今回撮影した種>
天然記念物では特にアマミノクロウサギが有名であるが、野鳥でもルリカケス、アマミヤマシギ、オーストンオオアカゲラ、アカヒゲなどがバーダーの人気が高い。アマミシジュウカラ、アマミヒヨドリ、アマミヤマガラ、アマミコゲラなども固有亜種である。またカエルなども固有種が多いそうである。
探鳥事情:
オーストンオオアカゲラ、ルリカケスは直ぐ撮れた。鳥の種類が多いので定評のある奄美自然観察の森の中や周辺で見つけた。いっぽうアマミヤマシギとオオトラツグミは、夕方から深夜まで二日間、定評のある林道を車で流しても見つからない。アマミノクロウサギは少なくとも10羽以上に出遇ったのにである(獣の肉を食うことを禁じた仏教の教えから、ウサギを鳥と偽って一羽、二羽と数えたという)。
これは現地情報がないと駄目だと悟り、奄美自然観察の森の管理人に良いガイドを紹介してくれるよう頼んだ。すると三十数年の観察経験がある優れたガイドM.T氏を紹介してくれた。9日夜にガイドを頼んだところ、アマミヤマシギ、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウコノハズクを撮影することができた。出遇った状況から、常緑の深い原生林のなか、行き当たりばったりでこれらを見つけるのは至難の業であると再確認した。
この日はかなりの雨で二大目標の一つ、オオトラツグミは見つからなかった。よしんば枝の上に見つけたとしても、レンズを上に向けるとすぐ雨滴がついて写真にならないであろう。したがって天候が許せば翌日もガイドをお願いすることを約束し別れた。11時を回っていた。
10日夜も車をゆっくり流しながら、ハロゲン投光器で樹幹や樹冠を照らしていると、まずオオトラツグミに出遇った。ただこれが最初にして最後の一羽だった。またしばらくすると何やら蠢くものを見つけた。これがケナガネズミであった。遠方でよくわからないが小型の猫ほどの大きさだそうである。じつはこの天然記念物は数の少なさと夜行性の習性から見つけるのは至難の業で、偶然出遇ったのは恐ろしくラッキーであるとのことだ。遭遇したすべての野鳥を合わせたより、稀な出遇いだという........
いっぽう、離島の常であるが、面積が狭いと植生が貧弱になるせいか、留鳥の種類と数は少ない。本州ではよく見るセキレイ、ハシボソガラス、ムクドリ、トビなどは一切見なかったし、スズメさえ10羽に満たなかった。最も頻繁に出遇ったのはキジバトである。当然猛禽類を頂点とする生態系は形成されていない。固有種・固有亜種が多いことと関係があるのかもしれない。全撮影数は約4100枚で、6日間としては異常に少なかった。
また、最初の5日間に出遇ったバーダーはたったの三人で、それも地元の人たちばかりであった。関東地方で珍鳥情報があると、数十人はおろか二、三百を超えるカメラマンが集まることも珍しくない。いきおい野鳥に与えるストレスも格段に増す。野鳥観察のスタイルそのものが全く異質になるので、容認される行為がマナー違反になる度合いが増す。
最終日に奄美自然の観察森を訪れたときには、8名の札幌からきたというバーダーに出遇った。現れる野鳥が少ないので苦労していたようである。中の一人だけがチラッとアカヒゲを見たという。
希少哺乳類 Rare mammals
自然風物 Nature
奄美大島は南北約55kmの細長い島で、本州など四島を除くと沖縄本島、佐渡島の次に面積が大きい。約6万5千人が暮らす。年間の日照時間が日本で一番短いそうで、私が滞在した6日間、多かれ少なかれ毎日雨が降り、梅雨入りも近いと噂していた。空港に着陸するときも、霧のため1時間近く上空を旋回して視界が開けるのを待ちつづけた。少なくとも数回は同じ半島の岬を眼下に見下ろしたときはだんだんと不安になったほどである。
植物相はシイやマグローブが茂る亜熱帯雨林で、島の85%を原生林が占めている。動植物にも固有種・固有亜種が多く、東洋のガラパゴスと呼ぶ人もいる。日本では小笠原に次いで、ユネスコの自然遺産に登録される可能性が高い。
<赤字:今回撮影した種>
特別天然記念物 |
アマミノクロウサギ |
日本国指定 |
天然記念物 (日本国指定) |
ルリカケス オーストンオオアカゲラ オオトラツグミ アカヒゲ オカヤドカリ ケナガネズミ オサガメ ジュゴン |
鹿児島県鳥 絶滅危惧IB類 絶滅危惧II類 絶滅危惧II類 準絶滅危惧 絶滅危惧I類 近絶滅種 絶滅危惧IA類 |
鹿児島県指定 天然記念物 | イボイモリ イシカワガエル | 絶滅危惧I類 絶滅危惧I類 |
天然記念物では特にアマミノクロウサギが有名であるが、野鳥でもルリカケス、アマミヤマシギ、オーストンオオアカゲラ、アカヒゲなどがバーダーの人気が高い。アマミシジュウカラ、アマミヒヨドリ、アマミヤマガラ、アマミコゲラなども固有亜種である。またカエルなども固有種が多いそうである。
探鳥事情:
オーストンオオアカゲラ、ルリカケスは直ぐ撮れた。鳥の種類が多いので定評のある奄美自然観察の森の中や周辺で見つけた。いっぽうアマミヤマシギとオオトラツグミは、夕方から深夜まで二日間、定評のある林道を車で流しても見つからない。アマミノクロウサギは少なくとも10羽以上に出遇ったのにである(獣の肉を食うことを禁じた仏教の教えから、ウサギを鳥と偽って一羽、二羽と数えたという)。
これは現地情報がないと駄目だと悟り、奄美自然観察の森の管理人に良いガイドを紹介してくれるよう頼んだ。すると三十数年の観察経験がある優れたガイドM.T氏を紹介してくれた。9日夜にガイドを頼んだところ、アマミヤマシギ、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウコノハズクを撮影することができた。出遇った状況から、常緑の深い原生林のなか、行き当たりばったりでこれらを見つけるのは至難の業であると再確認した。
この日はかなりの雨で二大目標の一つ、オオトラツグミは見つからなかった。よしんば枝の上に見つけたとしても、レンズを上に向けるとすぐ雨滴がついて写真にならないであろう。したがって天候が許せば翌日もガイドをお願いすることを約束し別れた。11時を回っていた。
10日夜も車をゆっくり流しながら、ハロゲン投光器で樹幹や樹冠を照らしていると、まずオオトラツグミに出遇った。ただこれが最初にして最後の一羽だった。またしばらくすると何やら蠢くものを見つけた。これがケナガネズミであった。遠方でよくわからないが小型の猫ほどの大きさだそうである。じつはこの天然記念物は数の少なさと夜行性の習性から見つけるのは至難の業で、偶然出遇ったのは恐ろしくラッキーであるとのことだ。遭遇したすべての野鳥を合わせたより、稀な出遇いだという........
いっぽう、離島の常であるが、面積が狭いと植生が貧弱になるせいか、留鳥の種類と数は少ない。本州ではよく見るセキレイ、ハシボソガラス、ムクドリ、トビなどは一切見なかったし、スズメさえ10羽に満たなかった。最も頻繁に出遇ったのはキジバトである。当然猛禽類を頂点とする生態系は形成されていない。固有種・固有亜種が多いことと関係があるのかもしれない。全撮影数は約4100枚で、6日間としては異常に少なかった。
また、最初の5日間に出遇ったバーダーはたったの三人で、それも地元の人たちばかりであった。関東地方で珍鳥情報があると、数十人はおろか二、三百を超えるカメラマンが集まることも珍しくない。いきおい野鳥に与えるストレスも格段に増す。野鳥観察のスタイルそのものが全く異質になるので、容認される行為がマナー違反になる度合いが増す。
最終日に奄美自然の観察森を訪れたときには、8名の札幌からきたというバーダーに出遇った。現れる野鳥が少ないので苦労していたようである。中の一人だけがチラッとアカヒゲを見たという。
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希少哺乳類 Rare mammals
■アマミノクロウサギ Amami Rabbit Caprolagus furnessi ■ケナガネズミ Ryukyu Long-furred Rat (Ryukyu Long-haired Rat) Diplothrix legata |
自然風物 Nature
■大瀬海岸 ■風化する岩 ■花 <いつも亜熱帯の野生の花は少ないと感じる> ■オットンガエル<奄美固有八種のうちの一種> ■巨大なナメクジ ■カラスアゲハ、イシガケチョウ、リュウキュウアサギマダラ、トンボ |