2024-2-25〜27 |
風景 Scenery 詳細日誌 Detailed Diary |
主要更新 ◆'24-2-17:本欄新設 |
<旅行設定> S.T氏よりここの格安ツアーを紹介され、T.E氏と共に三人で訪れることにした。実質3日の短い観光ツアーなので妻を誘って四人になって予約した。ところがS.T氏の都合により、結局妻と二人の半ば観光旅行となった。ニューカレドニアは国としては四国ほどの面積の小さな島であり、あまり多くの野鳥は望めないが固有種が多く、カグーという有名な飛べない鳥がいる。これが第一目標である。 <探鳥経緯> 今回の探鳥ではいくつかの不運に遭遇し、望む成果は得られなかった。当初の計画では日曜に市内観光ツアーに参加し、月・火に30kmほど離れたリビエールブルー州立公園の日帰りツアーで探鳥をする予定だった。すると旅行会社の案内人から月曜は休園と知らされた。「どこか良いところはないか?」と尋ねたところ、ホテルのある首都ヌメア市の中心街から1kmほど離れた動植物園を紹介された。すでにツアー代金を支払っていたが市内観光ツアーには参加せず、タクシーで公園に向かった。顔に塩の粉が噴き出る暑さの中、6時間ばかり中を回った。日曜だからであろうか、幼児連れの数家族に出会った。バーダーらしきは、中望遠カメラを持った中年男性一人だった 一日は観光をしようと月曜は市内の名所を歩いて回った。11万人の首都ゆえ市内はこじんまりしており、歩こうと思えば端から端まで1時間もかからないだろう。ホテルからの移動にはバスを使った。市内の主な三つの名所はサンジョセフ大聖堂、朝市と小高い丘である。夕方、翌日火曜のリビエールブルー州立公園の日帰りツアーを申し込んだ。Land Communicationsという日本人が経営するツアー会社で、担当者が夕方5時にホテルに代金を受け取りに来た。 そして火曜朝8時、迎えに来た担当者から「山は大雨で、道がぬかるんで危険なのでツアーはキャンセル」と告げられた。唯一の探鳥名所に行けず、とてもがっかりした。「そのような理由でキャンセルするか」と訝ったがこちらに確かめる術はない。晴天のケニアで、泥濘にはまって動かないワンボックスカーを靴を脱いで皆で押し出したことを思い出した。 仕方なく昨日探鳥した動植物森林公園へ向かった。顔に塩の粉が噴き出る暑さの中、6時間ばかり中を回った。ホテルから空港に向かうのは夜9時なので、十分シャワーを浴びる余裕があるので助かった。 | |
<ニューカレドニアという国> フランスの海外領土とのことだがその政治形態はよく理解できない。面積は四国ぐらいで、ここにたった27万人が住み、首都地域には11万人が住む。人口の4割弱がフランス系白人らしいがそのほとんどは首都地域に住むと云われ、市内では白人が目立つ。 全ての規模が人口数に係わってくるので大国的な多様性を期待すると落胆するだろう。世界4位のニッケルを産するので国は豊かであり福祉も充実している。そのせいか生活と都市のたたずまいに余裕が感じられる。「南太平洋のプチパリ」と呼ばれるゆえんだろう。 ただあくせく働かなくても食っていけるという社会環境は「若者が真剣に働いて何かを生み出すという気概に欠ける」という揶揄も向けられるらしい。「将来ニッケルが枯渇した時が案じられる」とツアーガイドが嘆いていた。 | 早朝、アンスバタビーチにて |
自動車の普及率や外観を見るとおおよそその国の豊かさがわかる。ほとんどの車は小型車ながらきれいに保たれており、舗装道路も亀裂や凹凸は全くない。バイクも趣味的な大型をちらほら見かけるが、生活の移動手段としてのバイクはほとんど見かけない。車よりはるかに多いバイクが縦横無尽に走っている東南アジア、南アジアよりは何段階も生活レベルが上だ。そのためもあるのか物価もかなり高く、日本の2倍から3倍もする。これはいただけない。海岸なども定期的に大型の清掃車が巡回して清掃しており、ほとんどゴミは落ちていない。 フランス領なので、車はルノー、プジョー、シトロエンが多いが、日本車はトヨタよりむしろスズキ・スウィフト、マツダが目立つ。おどろいたことにスバルのフォレスター、インプレッサ、XVがこれら以上に目立つのにびっくりした。スバルの強力な四駆が力を発揮する悪路が多いとは、少なくとも首都ヌメア市にいたのでは想像できない。 日本との関係はとても良好のようだ。町を歩いていると、そこかしこで「ボンジュール」と声をかけられるし、エレベーター内や様々な注意書きがフランス語、英語、そして日本語なのには驚かされる。公衆トイレはほとんどないが、店に入って頼むと従業員のトイレを快く貸してくれた。日本人が外国へ行くとまずは中国人とみなされるのだが、ここでは初めから日本人と認められる。ガイドの話によると中国系の観光客はごく少ないそうである。ネットで検索するとニューカレドニアへはコロナ前の2019年、全世界から年間約10万人が訪れ、そのうち約2万人が日本人とのこと。1位は当然フランスで、次にオーストラリア。多分日本人は3番目であろう。 エレベーターの注意書き 動植物園の表看板 空港のインフォメーション <探鳥成果> 動植物園はほとんど平坦な部分がない丘陵地帯に形成されている。20ヶ所ほど小さな網の小屋があり、珍しい野鳥を飼っている。ただ、国鳥カグーだけは特別扱いで、飛べないので高さ1mほどの網の柵で広い林を囲っている。同時に見たのは4羽だった。おそろしく人に懐いており、幅がせいぜい2mほどしかない木道の上に留まっているカグーの横を人が歩いても微動だにしない。下は園の地図であるが、日本語のものをもらった。 特筆すべき種は、初日に公園を入ってすぐのところで撮影したカレドニアガラスと、まさに最終日公園を出ようと出口に差し掛かったところで妻が見つけたオオミカドバトであろうか。全部で7種のライファーを得た。少なくとも10は十分超えるだろうと思っていたので不満足ではあるが、本命のリビエールブルー州立公園に行けず半ば観光旅行となったで納得せざるを得ない。全撮影画像数は約6500枚。海外の平均よりはずっと少ない。 |
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風景 Scenery
三日間という短い時間が行動範囲を狭めていたので、いわゆる観光名所のような目立つ風景には遭遇せず、昆虫や植物にも目を引くものはなかった。
■早朝のアンスバタビーチ ■アンスバタビーチ ■夕陽のアンスバタビーチ <日曜のみ人が集まるようだ> ■常に貿易風が吹くアンスバタビーチはウィンドサーフィンのメッカ ■動植物園の入口から入ってすぐの散策路 <この右側の木にオオミカドバトが留まっていた> ■動植物園にいくつかある展望台から市内を望む |