群れをまとめる牧羊犬/ゴビ砂漠


主要更新
◆'20-10-17:アジサシをアカアシアジサシに修正。
◆'18-8-31:プロの写真家がネットに挙げたモンゴル紀行中に記述があった。それでロシア製ワゴンの名前が分かった。
◆'17-12-12:本欄新設
 ワイバードツアーに参加した。モンゴルは日本の約4倍の面積を持ち、その国土の80%はステップ(乾草原)である。南には広大なゴビ砂漠を擁する。この広い国土に横浜市の人口より少ない300万人ほどが暮らし、その内140万人が首都ウランバートルに住む。世界一人口密度が低く、1平方kmにたった1.8人とのこと。山羊・羊を主に家畜頭数は6000万頭を超えており、人間の20倍以上いることになる。かつてチンギスハーンは人類史上、世界最大の帝国を築いたことと全く結びつかない現在の国の規模である。

 ここに探鳥旅行をした動機は、日本を伝って北へ渡りをする珍鳥が多いこと、草原性の猛禽類の種類が豊富なことである。今までアジアの内陸に旅行したことがないので、その憧れもあった。動植物の全般的な傾向と同じく野鳥の種類と数も北へいくほど減少する傾向にあるので、初見数はそれほど期待しておらず30に届けば満足と自分に言い聞かせていた。旅を終え、整理してみると29だった。

 サバクヒタキは東京から愛媛まで車を飛ばして撮りに行ったし、イナバヒタキとノドジロムシクイは飛島で偶然遭遇した。モンゴルではこれらは普通に見られたので、あの努力は何だったのだろうかと思う。こんな時の慰めは、同じ種でも見る場所によって価値が違うと自分に言い聞かせることだけである。
 撮影総数は約12,600枚となった。飛翔中の野鳥を連写したことが多かったので、短い撮影日数の割には多かった。


旅程


期日
探鳥場所
探鳥記
初見
宿泊地

6-20 ウランバートル→成田 北朝鮮を避け、北京から南下しソウルをかすめて成田へ。約3800km。
6-19 pm:テレルジ国立公園
am:南ゴビ→ウランバートル
山麓にはシラカバ、カラマツ林が点在し、キツツキ類など日本の雑木林に近い鳥容。 1 ウランバートル
6-18 南ゴビ周辺(宿泊ゲル北方) 今年の酷い干ばつのため例年生じる池ができず、水鳥の集結なし。 2 ゴビイン・ナラン
6-17 ヨリン・アム(鷲の谷)渓谷
標高2200mを超える渓谷。高山性野鳥が多い。 11 ゴビイン・ナラン
6-16 pm:南ゴビ(宿泊ゲル周辺)
am:ウランバートル→南ゴビ
午後、立ち寄った狭い湿地帯には多くの野鳥が見られた。 15 ゴビイン・ナラン
6-15 成田→ウランバートル 約3800kmの距離を5時間ほどで飛ぶ。 ウランバートル
初見数合計 29



■コウノトリ目

■アカガシラサギ  Chinese Pond Heron


■ゴイサギ  Black-crowned Night Heron

■カモ目<写真をクリックすると詳細ページへ移動 / Click to detailed contents!>

■アカツクシガモ  Ruddy Shelduck

■タカ目

■オオノスリ  Upland Buzzard


■ヒゲワシ  Lammergeier


■ヒマラヤハゲワシ  Himalayan Griffon


■シロエリハゲワシ  Eurasian Griffon


■クロハゲワシ  Cinereous Vulture


■イヌワシ  Golden Eagle


■ヒメクマタカ  Booted Eagle  <撮影したときは初見と思っていたが、ケニアで撮影済>


■アカアシチョウゲンボウ  Amur Falcon

■ツル目

■アネハヅル  Demoiselle Crane

■チドリ目

■オオチドリ  oriental Plover


■アカアシアジサシ  Common Tern   <こんな内陸にもアジサシはいる>

■サケイ目

■サケイ  Pallas's Sandgrouse   <今回のモンゴルで最も遇いたかった種>

■ハト目

■シラコバト  Eurasian Collared Dove

■フクロウ目

■コキンメフクロウ  Little Owl

■アマツバメ目

■ヨーロッパアマツバメ  Common Swift


■アマツバメ  Pacific Swift

■ブッポウソウ目

■ヤツガシラ  Eurasian Hoopoe

■キツツキ目

■オオアカゲラ  White-backed Woodpecker


■コアカゲラ  White-backed Woodpecker


■ヤマゲラ  White-backed Woodpecker

■スズメ目

■ベニハシガラス  Red-billed Chough


■ワタリガラス  Common Raven


■コクマルガラス  Daurian Jackdaw


■カササギ  Common Magpie


■モウコアカモズ  Daurian Shrike


■ハマヒバリ  Horned Lark


■カンムリヒバリ  Crested Lark


■コヒバリ  Asian Short-toed Lark


■タイワンヒバリ  Oriental Skylark


■ヒバリ  Eurasian Skylark


■アルタイコノドジロムシクイ  Hume's Whitethroat  <ノドジロムシクイ類三種の区別が困難>


■ノドジロムシクイ  Common Whitethroat  <ノドジロムシクイ類三種の区別が困難>


■チャイロツバメ  Eurasian Crag Martin


■シロビタイジョウビタキ  Common Redstart


■セグロサバクヒタキ  Pied Wheatear


■サバクヒタキ  Desert Wheatear


■ハシグロヒタキ  Northern Wheatear


■イナバヒタキ  Isabelline Wheatear


■コシジロイソヒヨドリ  Rufous-tailed Rock Thrush


■ビンズイ  Olive-backed Pipit


■カベバシリ  Wallcreeper


■キガシラセキレイ  Citrine Wagtail


■シベリアハクセキレイ[亜種]  White Wagtail (sub)


■マミジロタヒバリ  Richard's Pipit


■コウザンマシコ  Beautiful Rosefinch


■モウコナキマシコ  Mongolian Finch


■ウスヤマヒバリ  Brown Accentor


■シロハライワヒバリ  Mongolian Accentor


■イワスズメ  Rock Sparrow


■ユキスズメ  White-winged Snowfinch


■イエスズメ  House Sparrow  <子育て真っ最中>


■ミヤマヒゲホオジロ  Godlewski's Bunting


■シラガホオジロ  Pine Bunting

自然の風物   Nature
 雄大なゴビ砂漠の風景には常に既視感を覚えた。マスメディアでこれだけ情報が流布しているのは良し悪しである。ただ、ナキウサギやガゼル、アルガリなどに直に接すると感動する。
 野の花や昆虫は、熱帯・亜熱帯地方と比べるととても少ない。今年は例年よりかなり酷い干ばつだそうで、家畜の移動も大幅に早められている。食べ尽くさないように新たな草を求めて移動さすらしい。

風景   Landscapes

■ゴビ砂漠  <所々に雨が降り、虹がでる>


・蜃気楼   <遠くに見えるのは逃げ水>


・ラクダ   <モンゴルと中国ではフタコブ、アフリカではヒトコブ>


・ツアー車   <18人がヒュンダイ製ワンボックス4台に分乗>


・ロシアUAZ社製の四輪駆動車「プルゴン」 <1960年代の生きた化石・リジッドアクスルがむしろ魅力>


・高圧線   <所変われば品変わるの電柱・電線>


■ヨリン・アム渓谷  <標高2000mを超える渓谷。半袖では少し寒い。日陰には雪渓が残っていた>


  <放牧家畜追いに今ではバイク>




■テレルジ国立公園  Terelj National Park


■観光客用ゲル(中国語ではパオ)の中  An inside view of ger for tourists


■空から見降ろしたゲル集落(観光客用と思われる)  A sky view of ger community for tourists


動植物   Animals and Plants

■ガゼル/ゴビ砂漠  <草を喰うので家畜と競合。厄介者らしい。>


■アルガリ/ヨリン・アム渓谷  <それこそ垂直に近い急峻な崖を歩き回る>


■ヤク/ヨリン・アム渓谷  


■ナキウサギ/ヨリン・アム渓谷  


■トビネズミ/ヨリン・アム渓谷  <3mも飛ぶそうである>


■リス/ヨリン・アム渓谷


■トカゲ/ゴビ砂漠  <4日間で数匹見かけた。体長10cm強。ニホンカナヘビより小さいと感じた。>


■シジミチョウとハナアブ  <見かけた昆虫類は極端に少なかった>


■小さな花ばかり
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