2019-5-21〜29 |
撮影野鳥リスト Birds List 自然の風物 Nature 詳細日誌 Detailed Diary 高山病 Altitude Sickness |
主要更新 ◆'19-7-4:Alpine Leaf Warblerの和名を「ミヤマムジセッカ」とした。 ◆'18-12-30:本欄新設 |
中国の探鳥地といわれてすぐに思い浮かぶ有名なスポットがないのは、バードウォッチング文化が円熟していないためか、あるいは海外からの研究者受け入れが十分でなかったことが主な原因だろうか。はたまた単なる私の知識不足か。 今回ツアー会社(ワイバード)から配布された遭遇可能性のある野鳥の種類は131である。そのうち私はすでに69種を撮っている。モンゴルで撮った種類も多い。もう、昔のように見る鳥見る鳥が初見という楽園状態は過ぎ去ったようだ。 | |
<昨年の四川省地震被害により九寨溝風景区は閉園、その後一旦開園されたが再閉園されたため訪問先変更> |
■旅程
# |
期日 |
探 鳥 場 所 |
探 鳥 記 |
初見 |
宿泊地 |
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H | 5-29 | 成都→成田 | 早朝出発、午後3時過ぎ成田着。 | ー | 帰宅 | |||
G | 5-28 | 成都へ移動 | 黄龍カルスト台地下降(海抜3550→3200m) | 5 | 成都 | |||
F | 5-27 | ■若爾康→黄龍 | 所々で探鳥しながら世界一流の景勝地・黄龍に向かう。 | 3 | 黄龍 | |||
E | 5-26 | 終日■若爾康 | 高地にも慣れてきたが、依然として上り坂はつらい。 | 8 | 若爾康 | |||
D | 5-25 | pm■若爾康 am■紅原 |
土崖最上部の穴にワシミミズクの雛三羽を発見。ツアー一同大いに感激。 | 8 | 若爾康 | |||
C | 5-24 | 終日■馬爾康 | 海抜3000〜4500mでの探鳥。ムシクイ類が多く、識別困難。ムシクイに似合わず派手なフジイロムシクイが圧巻。 | 6 | 馬爾康 | |||
B | 5-23 | pm■小金 am■日隆 |
海抜4500m越え。少しでも上り坂になると息が切れる。多少頭痛有り。しかし多くの初見鳥が見られて満足。 | 16 | 小金 | |||
A | 5-22 | pm■臥龍 am■成都市内 |
まず成都市内の多くの市民が集う浣花渓公園で探鳥。午後、マイクロバスで高度を上げ臥龍で探鳥。 | 4 | 臥龍 | |||
@ | 5-21 | 成田→成都 | 深夜にホテル着。 | ー | 成都 | |||
初見数合計 | 50 |
■総括
野鳥といわず動植物は皆そのような傾向があると思われるが、北へ行くほど、かつ標高が高くなるほど種類が少なく生息密度が低くなるようだ。その意味で、今回は30以上の初見数があれば良いと考えていたが、50が実現して大いに満足である。ただ、ムシクイ類の半分以上は自信を持って識別できなかったことが悔やまれる。 探鳥地のほとんどは右に示すような緩い坂の草原・藪であるが、海抜3000〜4500mの高地のため、息が切れる。日本からのツアー一行8人の中で私が一番しんどいようだった。写真には現地ガイドを入れて私以外の7人が写っている(もう一人は休息中)。 |
■ペリカン目
■アカガシラサギ Chinese Pond Heron 池や湖の少ないチベット高原では草原に居る? ■ゴイサギ Black-crowned Night Heron |
■カモ目
■インドガン Bar-headed Goose ■アカツクシガモ Ruddy Shelduck |
■タカ目
■イヌワシ Golden Eagle ■ヒゲワシ Lammergeier ■ヒマラヤハゲワシ Himalayan_Griffon <ほとんど毎日のように遭遇した> ■ヨーロッパノスリ Common Buzzard ■ハイタカ Eurasian Sparrowhawk ■チョウゲンボウ Common Kestrel |
■キジ目<写真をクリックすると詳細ページへ移動 / Click to detailed contents!>
■アオミミキジ Blue Eared Pheasant ■シロミミキジ White Eared Pheasant ■ベニキジ Blood Pheasant ■コウライキジ Common Pheasant <白い首輪のない亜種> |
■ツル目
■オグロヅル Black-necked Crane 標高3000〜4800mに生息。 |
■チドリ目
■アカアシシギ Common Redshank <チベット高原には湿原極めて少なく、故に水鳥も少ない> ■チャガシラカモメ Brown-headed Gull |
■ハト目
■ユキバト Snow Pigeon ■カノコバト Spotted Dove ■カワラバト Rock Pigeon |
■カッコウ目
■カッコウ Common Cuckoo |
■フクロウ目
■ワシミミズク Eurasian Eagle Owl <三羽の幼鳥> |
■キツツキ目
■アカゲラ Great Spotted Woodpecker |
■スズメ目
自然の風物 Nature
■5月22日 成都・浣花渓公園 ・全員中国人バーダー。何を狙っているかといえば、カイツブリの巣でした/成都・浣花渓公園 ・今晩泊まる臥龍のホテル前。 ・馬爾康の商店街。 |
■5月23日 日隆から小金へ <海抜2500mから一気に4500mまで上がる....ここはチベット高原> ・チベット高原の小さな花たち。 ・標高5000mは超えていると思われるピーク。 |
■5月24日 馬爾康 <終日、野鳥を探す> シャクナゲがどこかしこで目立つ。 |
■5月25日 紅原から若爾康へ |
■5月26日 終日、若爾康 <4000m前後の高原では花も小さく、可憐> ・目に付く蝶、昆虫はとても少ない。 |
■5月27日 <高原の中にポツリと店と有料公衆便所.....見渡す限り人っ子一人いない> ・面白い形の高圧線。所変われば品変わる |
■5月28日 黄龍 <世界的に有名なカルスト台地> |
観察野鳥リスト
○●:キツツキ本人観察鳥、●および
・・・・
は初見鳥。 (・・・・)および△は他者情報。
# |
種 名 |
22 成都 晴 |
22 臥龍 晴/薄曇 |
23 小金 薄曇 |
24 馬爾康 晴/時雨 |
25 若爾康 快晴 |
26 若爾康 晴 |
27 黄龍 小雨/晴 |
28 移動 曇/霧雨 |
備考 (既撮場所/時期) |
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 |
(ユキシャコ) ベニキジ アオミミキジ シロミミキジ (キンケイ) (ミノキジ) コウライキジ インドガン アカツクシガモ マガモ カイツブリ カワラバト ユキバト カノコバト キジバト コサギ アマサギ アオサギ アカガシラサギ ゴイサギ オグロヅル バン (オオジュウイチ) カッコウ (ツツドリ) (アマツバメ) アカアシシギ クロハラアジサシ チャガシラカモメ トビ ヒマラヤハゲワシ ハイタカ ヨーロッパノスリ オオノスリ イヌワシ ヒゲワシ ワシミミズク アカゲラ チョウゲンボウ カワセミ チベットモズ ツバメ コシアカツバメ ニシイワツバメ (タイワンコウグイス) キバラウグイス ノドジロヒヨドリ カヤノボリ (オナガ) カササギ サンジャク ホシガラス ベニハシガラス キバシガラス コクマルガラス ハシボソガラス ハシブトガラス ヒメサバクガラス オナガベニサンショウクイ (オウチュウ) キバシリ シキチョウ ハッカチョウ キバラガラ シジュウカラ ハシブトガラ (キバラシジュウカラ) カンムリシジュウカラ ホオジロゴジュウカラ マユガラ ズアカエナガ ダルマエナガ シロガシラ フジイロムシクイ キバラムシクイ チャバネムシクイ ウスゴシムシクイ カンスームシクイ ウンナンムシクイ ハシブトムシクイ マユグロモリムシクイ コシジロムシクイ ミヤマムジセッカ注1) モウコムジセッカ バフマユムシクイ ヤナギムシクイ チベットヒワ (キバシヒワ) キクイタダキ オオシロボシガビチョウ カオジロガビチョウ カキハガビチョウ キタガビチョウ カンスーガビチョウ ミソサザイ (ルリオタイヨウチョウ) ムクドリ (カンスーチメドリ) シロエリカンムリチメドリ クロウタドリ クリイロツグミ チャイロツグミ ヒマラヤルリビタキ (ノビタキ) (ノゴマ) ムナグロノゴマ クロジョウビタキ ノドジロジョウビタキ ジョウビタキ ルリビタイジョウビタキ シロボウシカワビタキ カワビタキ (オリイヒタキ) セアオヒタキ (コバネヒタキ) キンイロヒタキ (コルリ) タイワンヒバリ ハマヒバリ スズメ ネパールハクセキレイ[亜種] ビンズイ キセキレイ ウスベニタヒバリ イワヒバリ アカチャイワヒバリ アカマシコ マミジロマシコ クリムネアカマシコ セスジシロボウシマシコ バライロマシコ チュウゴクコウザンマシコ注2) ミスジマシコ バラゴシマシコ (コウザンマシコ) タカサゴウソ ハジロクロシメ ミヤマホオジロ コシジロキンパラ |
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インド/'18-11 シンガポール/'10-10 スリランカ/'17-2 モンゴル/'18-6 タイ/ '15-1 モンゴル/'18-6 滋賀県/'13-8 モンゴル/'18-6 タイ/ '15-1 タイ/ '14-12 モンゴル/ "18-6 出水平野/'10-11 千葉県/'16-1 台湾/'12-11 台湾/'12-11 台湾/'10-5 インド/'18-11 インド/'18-11 桐生自然観察の森/'14-6 インド/'18-11 タイ/'14-12 モンゴル/'18-6 モンゴル/'18-6 タイ/'15-1 台湾/'10-5 |
日毎初見鳥数 | 4 | 15 | 6 | 8 | 9 | 3 | 5 | 亜種は初見 鳥に含めず | ||
全初見鳥数 | 50 |
本日、T.E氏の教示により「ミヤマムジセッカ」と改名した<2019-7-4>。
注2) 本種(Carpodacus davidiamus、Chinese Beautiful Rosefinch)はコウザンマシコ(C. pulcherrimu、Beautiful Rosefinch)から分かれたもので、まだ広く認められた和名がない。整理の都合上、チュウゴクコウザンマシコと仮名を設定した。和名が設定され次第変更したい<2019-6-30>。
本種もT.E氏より「チュウゴクコウザンマシコ」という和名が設定されているらしいと連絡を受けたが、しっくり来ないので棚上げとしておく<2019-7-4>。
高山病と高地順応 Altitude sickness and high altitude adaptation 今回の四川省探鳥は全行程のほとんどを海抜3000から4500mのチベット高原で探鳥することが判っていた。かつてエクアドルでは4000mで歩き回った経験から、まあそれほどたいしたことはなかろうとタカをくくっていた。探鳥二日目、4000m前後の高原で丸一日行動したら、顔が火照り心拍数も常時かなり高めを維持した。軽い頭痛も続いた。ただ風邪で発熱したのと違い、体のだるさは感じない。就寝時までその火照り・頭痛を感じていた。
三日目の朝、目覚めた直後、寝床の中で心拍数を測ると優に80/分を超えていた。自宅でのそれは58〜60であるから異常である。ただし、体温は正常で体のだるさとか筋肉痛などはないので、心配はしなかった。ただ、ゆったりした坂道でも、登り始めると一行8人の中で私が最も息を切らしていたので、迷惑をかけないよう慎重に行動せざるを得なかった。
高原での薄い酸素圧を感じる兆候があった。車で移動中、うとうとすると間もなく、軽い吐き気がして目が覚める。ただ、深呼吸をすればすぐ回復する。今までずっと平地で行動していた体は、軽い睡眠時の呼吸量をそのまま踏襲しているので、酸素不足になったものと思われる。就寝時の無意識の呼吸も、いつもより強いと自分自身で感じるほどである。
日が経つにつれ体は徐々に高度になれてきたのか、坂道を登る息苦しさは相変わらずだったが、その他の行動では普通に振る舞えるようになった。八日目の朝、海抜3200mの宿で目覚めた時の心拍数は74まで低下し、最終日の九日朝、海抜500mの成都では65まで低下した。一行の他の何人かは脚の筋肉痛を訴えていたが、私はほとんどそれを感じなかったので、高山でのあの息苦しさは体力低下を誘発する高山病というより、加齢による心肺機能の低下だったのではないかと推定する。もっとも、それ自体を高山病と言うのかもしれない。
帰宅の翌日、普通に目覚めた直後の心拍数は59に復帰した。疲れや筋肉痛は残っていない。やはり体力の消耗というよりは、気圧の低下による心肺能力の一時的な低下が主因だったのだろう。撮影鳥の整理を始めた直後、忙しさにかまけて道中忘れていた撮影し損なったキンケイとルリオタイヨウチョウを思い出し、頭痛と肩こりが始まった。この精神的ダメージはなかなか回復しないと過去の体験が教えてくれる。
高山病: 高山では空気が地上と比べて薄いため、概ね2400メートル以上に登り酸欠状態に陥った場合に、さまざまな症状が現れる。 主な症状は、頭痛、吐き気、嘔吐、眠気(めまい)である。他に、顔や手足のむくみ、眠気やあくびなどの睡眠障害、運動失調、低圧と消化器官の機能低下からくる放屁などが現れることもある。低酸素状態において数時間で発症し、一般には1日から 数日後には自然消失する。しかし、重症の場合は高地脳浮腫や高地肺水腫を起こし、死に至ることもある<Wikipediaより>。